【今こそ歌ってほしい】ブルース・スプリングスティーン/自由の鐘(1988)

Chimes of Freedom

【カバーの快楽】
Bruce Springsteen – Chimes Of Freedom

先週、バーズのカバーでも紹介したボブ・ディランの名曲「自由の鐘」を、ブルース・スプリングスティーンが1988年の欧州ツアーでカバーしたライヴ録音だ。

このライヴが『Chimes Of Freedom』のタイトルで4曲入りのEPとして88年にリリースされた。これは、人権宣言40周年を記念したアムネスティ主催のライヴだったようで、その関係で「数えきれないほどの、騙され、虐待され、最悪の苦しみに追い込まれた人々に、自由の鐘が鳴り渡る」と歌うこの曲が選ばれたようだ。デビュー当時から”ディランズ・チルドレン”と呼ばれたスプリングスティーンらしい、嬉しい選曲だ。

ライヴでのカバーといっても、さすがはスプリングスティーンだ。ちょっとやってみた、ぐらいのレベルではなく、しっかり練られたいかにも彼らしいドラマチックなアレンジで、完璧な歌唱も含めて完全に自分のものにしている。さすがはボスだ。

歌で人の命は救えないかもしれないけれども、世界中の人と想いを共にすることはできる。
今こそ歌ってほしいな、影響力のある彼らに。

この21世紀に想像だにしなかった、正気の沙汰とは思えない暴君による殺戮と破壊に立ち向かい、この世の地獄に身を置くウクライナ国民に、一日も早く自由の鐘が鳴り渡ることを願ってやまない。

↓ ボブ・ディランのオリジナル。

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