No.058 ブルース・スプリングスティーン/涙のサンダーロード (1975)

BORN TO RUN
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その58
Bruce Springsteen – Thunder Road

17歳の頃、そのなにもかもに憧れるほどに好きになったアーティストだった。

当時、今から思えば社会に出るのが少し早すぎたわたしは、まだ自分が何者でもなくて、何ができるのかもわからない、無限の可能性への希望と途方もない不安を同時に抱えて死にそうになっていた時だったので、その歌詞や、等身大の音楽に共感して熱くなっものだ。
スプリングスティーンのふりしぼるような声や、熱いけれど哀愁のあるサウンドに感情を揺さぶられずにはいられなかった。

わたしはこの曲を聴くと、今でも一瞬でその世界に入っていくことができる。少年のころに聴いていたときの熱い気持ちがよみがえってくる。
わたしが最も好きな曲のひとつだ。これと同じくらい好きな曲を探すのはなかなか難しい。

閉塞感漂う町の片隅に生きる孤独な若者が、けっして美人ではないけれどなによりも大切な彼女に「この街を出よう」と告げる歌だ。

彼は自由になるために、成功するためにギターだけを手にして、雷鳴が轟くような道のりを走り始める。

エンディングのクレモンズのサックスを聴きながら少年のわたしは、「ああ、成功したんだなあ」とこのレコードジャケットの、むさくるしい髭面だけどこの世の誰よりもカッコよく見えた男を、憧憬とともにじっと見つめていた。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. 匿名 より:

    これより好きな歌を探すのが難しいに完全に同意します。
    口ずさむと高ぶって、ちょっとじんわりきます。

    • ゴロー より:

      ですよね!

      カッコいいロックナンバーはたくさんあっても、これほど感動的で、胸を締め付けられ、昂揚させてくれるような、いろんな感情が沸き起こる曲はめったにありません。

      コメントありがとうございます。