No.197 レディオヘッド/フェイク・プラスティック・トゥリーズ (1995)

The Bends
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その197
Radiohead – Fake Plastic Trees

デビュー・シングルの「クリープ」のインパクトは凄いものがあったが、しかしあの頃はまだ、あの時代にたくさんいた極端にノイジーでラウドなギターを鳴らすバンドのひとつぐらいに思っていた。

続々と出てきた当時のバンドたちが続々と消えていく中、おいおい様子が変だぞ、レディオヘッドってこんなんだっけ?? とわたしが思ったのは、この曲を聴いたときだった。

この曲は彼らの2ndアルバム『ベンズ』に収録された曲だ。
シングルカットされたものの、あんまり売れなかったらしい。

そりゃそうだろうと思うほど、単調で地味すぎる曲だけど、なぜか胸の奥に突き刺さってくる曲だ。
わたしにとってレディオヘッドと言えばまずこの曲なのだ。

名曲、なのかどうか、わたしももうよくわからないけれど、ただただこの曲のなにかに心を奪われてしまう。

これまでロックが表現してきたものとは真逆のような、あまりに弱々しく、おそろしく内向的で、カッコ良さなど微塵もなく、八方塞がりの切実さがスゴい世界観を聴いた気がした。

このときレディオヘッドが、ロックの次の扉を開いた気がしたものだった。

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