No.233 ザ・バーズ/ゴーイング・ノーホエア (1968)

SWEETHEART OF THE RODEO
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その233
The Byrds – You Ain’t Goin’ Nowhere

ストーンズが『ベガーズ・バンケット』を録音していた1968年の春、米国ではバーズがナッシュヴィルで『ロデオの恋人』を録音していた。
カントリー・ミュージックをロックに取り入れることを試みた画期的なアルバムの制作が遠く離れた英米で同時進行していたのは興味深い。

偶然なのか、なにかきっかけがあったのか。
あるとしたら、その2年前にボブ・ディランがロック史上初となるナッシュヴィル録音のアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』を発表したことかもしれない。
このアルバムの影響というのは有り得ることだろう。

しかしディランよりもストーンズよりも、バーズはもっと大胆に、「カントリーの要素を取り入れたロック」などではなく、もう「ほぼカントリーみたいなロック」をやったのである。

当時バーズは年2枚ぐらいのペースでアルバムを出していて、この68年はなんと3枚も出している。
そのうちの1枚である『ロデオの恋人』は、カントリー・ロックというジャンルを誕生させる画期的な名盤となった。
そのアルバムの冒頭を飾るのがこの曲である。

カントリー・ロックというスタイルがわかりやすく、比較的とっつきやすくて、わたしが大好きな曲ということで選んだのだけど、しかしながらまたしてもこの曲はボブ・ディランの曲だ。
このブログでバーズの曲を取り上げるのもこれで3曲目だけれど、今のところ全部ディランの曲というのもなんだか能の無い話で心苦しい限りだ。

そのディランはこの翌年にふたたびナッシュヴィルで、ジョニー・キャッシュまで担ぎだしてカントリーアルバムを制作し、その後もグラム・バーソンズ、CS&N、ニール・ヤング、C.C.R.、グレイトフル・デッド、イーグルスなどが中心となって、カントリーとロックを様々な形で融合させ、新しいサウンドを創造していった。

バーズの正式メンバーとしてこのアルバムのみに参加しているグラム・パーソンズは、当時22歳ながらカントリーミュージックに造詣が深く、彼の主導の下で『ロデオの恋人』は制作された。
60年代はイギリス勢に押され気味だったアメリカンロック界に風穴を開け、70年代の隆盛につなげるきっかけとなった男がグラム・パーソンズなのかもしれない。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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