No.327 ニール・ヤング/アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ (1970)

After the Gold Rush
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その327
Neil Young – After the Gold Rush

今年のゴールデンウイークにわたしは、ニール・ヤングのアルバムを1stアルバムから順に全アルバム(53枚)を聴くというアホみたいなことにチャレンジしてみた。
初めて聴いたものもあったし、久しぶりに聴いてその印象がずいぶん変わったものもあった。

手っ取り早く楽しめるベスト盤やプレイリストもいいけれど、オリジナルアルバムをじっくり聴くというのもまた格別の楽しさがある。
代表曲やヒット曲ばかりではない、実験的な曲や、いかにも当時の流行を感じる曲や、らしくない曲や、チャーミングな小曲やスケールの大きい大曲など、アルバムならではの面白さというものをあらためて味わえて、実に楽しかった。

そしてやっぱり、じゃあニール先生の最高傑作はどれなんだろう、などとついやっぱり考えながら聴いてしまうのだけど、わたしなりに検討に検討を重ねた結果、やはり1970年発表の3rdアルバム『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』だな、という結論になりました。ありきたりかもしれないけど、やはり70年代を代表する名盤なのだから仕方がない。

ニール・ヤングをまだ聴いたことがない人は、まずこのアルバムからぜひ聴いてみてほしいと思う。
これが気に入らなければ、他のを聴いてみてもたぶんムリだろう。

今回選んだのはそのアルバムのタイトル曲だ。

歌詞はとても抽象的なものだ。
宇宙開発など科学文明がものすごい勢いで発展し、人類の進歩を手放しで喜んできた時代に対し、「母なる自然が逃げ出していく」と歌っている。
「友達の言ったことを考えていたんだ、嘘だったらいいのにと思いながら」などという歌詞も、この文明の進歩が招きかねない悲劇的な未来への不安のように聴こえる。

ロックが世界中の若者を夢中にさせ、ヒッピーやドラッグ文化、ベトナム戦争や学生運動、大統領や指導者の暗殺など、激動の時代だった1960年代というひとつの時代の終わりと新たな70年代の幕開けにふさわしい、ニール・ヤングの曲の中でももっとも美しい曲のひとつだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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