ニール・ヤング【名盤ベストテン】NEIL YOUNG Greatest 10 Albums

GREATEST HITS

わたしが最も好きなアーティストのひとり、ニール・ヤングについてはこれまでもいろいろな楽曲を取り上げて書いてきたけれど、今回はアルバムでベストテンを選んでみた(ライヴ盤は除外)。

ニール・ヤングがこれまでリリースしたオリジナル・アルバムは40作以上に及び、クレイジー・ホースと共演したグランジ系のアルバムもあれば、アコースティック主体のカントリー系のアルバムもあり、他にもコンセプト・アルバムやギター・ノイズ系のインスト作品、そしてロカビリーからテクノまで、そのスタイルは実に幅が広い。

正直、その出来栄えの差もピンからキリまである中から、わたしが最も好きな作品であることはもちろん、これからニール・ヤングを聴き始めるという幸せな方にも自信を持ってお薦めできる10作品を、奇を衒うことなく、どストレートに選んだつもりです。

以下に、各アルバムのメインとなる代表曲と共に紹介していきたいと思います。

第10位 ズマ(1975)
Zuma

新生クレイジー・ホースとの共演で、久しぶりのロック・アルバムとなった、1975年リリースのグランジ系アルバム。ニールが久しぶりにオールド・ブラックでギター・ソロ―を弾きまくっている。
2001年のフジ・ロックのオープニング・ナンバーだった「ドント・クライ・ノー・ティアーズ」や「コルテス・ザ・キラー」などの人気曲も収録。全米25位。

第9位 今宵その夜(1975)
Tonight’s The Night

クレイジー・ホースの中心メンバーだったダニー・ウィッテン、仲の良かったローディーのブルース・ベリーを相次いで亡くし、深い悲しみの中で録音された鎮魂歌的作品。

全体に重苦しい雰囲気で、テキーラをガブ飲みして泥酔しながら歌っていたり、もうほとんど泣きながら歌っているような曲などもあり、感情の奥底がどろうりと溢れ出したようなリアリティを持つ特別な作品でもある。タイトル曲はライヴのエンディングの定番にもなった。全米25位。

第8位 フリーダム(1989)
Freedom

栄光を極めた70年代に比べ、レコード会社との意見の衝突もあってニール・ヤングの80年代のアルバムはどこか迷走した印象で、セールスも低迷した。
そんな長いトンネルから脱出して再び輝きを取り戻したきっかけがこのアルバムからだった。

聴き物はなんといっても、今では代表曲のひとつとなった「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」。アルバムのオープニングではアコースティック・バージョンで、エンディングでは疾走感が凄いロック・バージョンで収録されている。全米35位。

第7位 カムズ・ア・タイム(1978)
Comes a Time

全アルバムの中でも唯一、ニールの笑顔の写真が使われているジャケットが内容を物語っている、明るく穏やかなカントリー・テイストの作品。

腕利きミュージシャンたちによる、よく練られたアレンジが聴きやすく、収録曲も佳曲が多い。全米7位と好セールスを記録した。

第6位 ハーヴェスト・ムーン(1992)
Harvest Moon

72年の『ハーヴェスト』の20年後の続編として、リンダ・ロンシュタットやジェームズ・テイラーを含め、バンドも前作とほぼ同じメンバーが集められて録音されたカントリー系の傑作。

温かみのある音を再現するために、デジタル録音ではなくあえてアナログ機器を使用したという録音が功を奏して素晴らしい音質だ。秋の夜長に聴きたい美しいアルバム。全米16位。

92年というグランジ・ロック全盛期にリリースされたので、脳みそに直接電流を流すようなギター・ノイズの刺激しか求めていなかった当時のわたしには、このアルバムの魅力があまりよくわからなかった。でも今はすごく好きだ。

第5位 傷だらけの栄光(1990)
Ragged Glory

90年代の幕開けとなり、ラウドでノイジーなギター・ロックの復活を敏感に察知したらしく、それならこっちが元祖だ!と言わんばかりに、クレイジー・ホースを招集して作られた全編豪快なグランジ・サウンドのアルバム。これによって、「グランジ・オブ・ゴッドファーザー」の称号を得、人気も再燃した。

目の前でスタジオ・ライヴを聴いているような雰囲気だが、才能が久々に爆発したようにソングライティングが充実して、名曲・佳曲が並び、最初から最後まで飽きることがない。全米31位。

第4位 ラスト・ネヴァー・スリープス(1979)
Rust Never Sleeps

前半がアコギの弾き語り(アコギの音が素晴らしい)、後半がクレイジー・ホースとの轟音サウンド(エレキギターの歪み方が素晴らしい)に分けられたアルバムで、代表曲となった「ヘイ・ヘイ、マイ・マイ」「パウダーフィンガー」を収録。
セックス・ピストルズの登場とパンク・ムーヴメントに刺激を受けて生まれた名盤だった。全米8位。

第3位 ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース(1969)
Everybody Knows This Is Nowhere

クレイジー・ホースとの初めての共演となった作品で、当時手に入れたばかりのギブソン・レスポール、オールド・ブラックを弾きまくった、20年早かったグランジ・サウンドの名盤。

代表曲となった名曲「シナモン・ガール」「ダウン・バイ・ザ・リバー」「カウガール・イン・ザ・サンド」を収録。全米34位。

第2位 ハーヴェスト(1972)
Harvest

シングルカットされた「孤独の旅路(Heart Of Gold)」もアルバムも、共に全米1位となり、最も商業的成功を収めた作品。

ナッシュヴィルの素晴らしいミュージシャンを集めて録音されたカントリー系の楽曲と、アグレッシヴなロック・ナンバーも同居した、作品も演奏も充実した名盤だ。

第1位 アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ(1970)
After The Gold Rush

ニール・ヤングの最高傑作であるというだけでなく、70年代ロックの最高傑作と言っても過言ではないほどの、歴史的名盤。

タイトル曲はもちろん、「オンリー・ラヴ」「サザン・マン」「アイ・キャン・リアリー・ラヴ」「バーズ」など名曲・佳曲がズラリと並んだ奇跡のような作品。

当時25歳の天才的シンガー・ソングライター、ニール・ヤングの名を世界に知らしめた作品でもある。全米8位。


以上、ニール・ヤング【名盤ベストテン】NEIL YOUNG Greatest 10 Albumsでした。

入門用にベスト盤を聴くなら、2004年発売の『グレイテスト・ヒッツ』がお薦め。

最初に聴くべき代表曲はほぼ網羅されています。

(by goro)

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コメント

  1. 遠州ヒマ助 より:

    こんばんは,「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」いいですねぇ!この頃のニール・ヤングが一番充実していたんじゃないでしょうか。今年はこのブログを発見してとてもラッキーでした。来年もよろしくお願いします。よいお年を。

    • ゴロー より:

      ありがとうございます!

      拙いブログですけども、ヒマ助さんのおヒマつぶしのお役にでも立てれば幸いです。