キンクス/ユー・リアリー・ガット・ミー (1964)【’60s Rock Masterpiece】

You Really Got Me <紙ジャケット> : Kinks | HMV&BOOKS online - ODR6689

【60年代ロックの名曲】
Kinks
You Really Got Me (1964)

ビートルズが前年に「シー・ラヴズ・ユー」「抱きしめたい」などの超ド級の爆弾を全米チャートのトップに次々送り込むと、それに続いたのが1964年8月にシングル発売されたこの曲だった。キンクスの3枚目のシングルとして発売され、全英1位、全米7位という大ヒットなった。

これを皮切りに、その年の後半にはさらにアニマルズの「朝日のあたる家」(全米1位)、ストーンズの「タイム・イズ・オン・マイ・サイド」(同6位)、ゾンビーズの「シーズ・ノット・ゼア」(同2位)などのブリティッシュ・ビート・バンドが全米ヒットチャートを席巻し、ブリティッシュ・インヴェイジョン(英国の侵略)が始まったのだった。

レイ・デイヴィスがキングスメンの「ルイ・ルイ」を弾いていて思いついたディストーション・ギターのリフだけでほぼ出来ているこの曲は、「ハード・ロック、ヘヴィ・メタルを発明した」とも言われている。

歪んだギターの音は、レイの弟でギター担当のデイヴ・デイヴィスがギターアンプの振動板に剃刀で傷をつけ、ピンを刺して、あのひび割れた音をつくったという。さすが、ひねくれ(kinks)兄弟は考えることが違う。

ちなみに、ジミー・ペイジが間奏のギター・ソロを弾いているという噂が広まったらしいが、レイ・デイヴィスもジミー・ペイジ本人も否定している。ジミー・ペイジは別の曲でリズム・ギターで参加しているが、この曲には参加していない。
ちっともジミー・ペイジらしいギター・ソロには思えないが、当時17歳のデイヴ・デイヴィスが弾いたにしては出来過ぎだと思われたのだろうか。

この曲もまた、ロックの可能性を一気に広げ、新しい歴史を作った偉大な1曲に間違いない。

↓ 米カリフォルニアのバンド、ヴァン・ヘイレンが1978年1月にデビュー・シングルとしてリリースしたカバー。全米36位と好成績を収め、この曲を収録した1stアルバム『炎の導火線』はじわじわと長期に渡って売れ続け、1,000万枚を突破するメガヒットとなった。

このカバーとアルバムによってハード・ロック〜ヘヴィ・メタルの新時代が始まったと言っても過言ではないだろう。

(Goro)

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