【映画】『ドリームガールズ』(2006米) ★★★☆☆

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

【音楽映画の快楽】
Dreamgirls

監督: ビル・コンドン
主演:ビヨンセ、ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ハドソン

シュープリームスをモデルにした、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。

シュープリームスのサクセス・ストーリーとその栄光の裏側の愛憎渦巻く実話をモデルにしながら、フィクションも織り交ぜ、実名は一切使っていないし、音楽もすべて舞台用に作られたオリジナル楽曲である。

わたしはシュープリームスのファンなので、実際に彼女たちの音楽が使われている実話ならもっと楽しめただろうけど、あくまで「シュープリームスみたいな」架空の60年代のガール・コーラス・グループ〈ザ・ドリームス〉の物語である。

映画では、もともとドリームスのリード・ヴォーカルはエフィ(ジェニファー・ハドソン)だったが、ズバ抜けたルックスのディーナ(ビヨンセ)をレコード会社の社長が気に入り、リード・ヴォーカルを彼女と交代させて売り出し、ドリームスは大ブレイクする。
それが気に入らなかったエフィは自ら脱退するものの、ドリームスの解散コンサートという最後の最後にステージに戻ってくるというハッピーエンドの筋書きだ。

実際のシュープリームスは、ダイアナ・ロスだけを前面に出した使われ方に嫌気がさしたフローレンス・バラードがシュープリームスから脱退する。
しかしフローレンスのソロでの活動は失敗に終わり、アルコール依存症から鬱病になり、32歳で亡くなっている。事実は映画より悲惨である。

それにしても、ビヨンセの美しさはただごとではない。
特にドリームスの初期、まだバック・コーラスをしているビヨンセは息をのむほど美しい。

だけど、リード・ヴォーカルに替わり、爆発的に売れてメイクも髪型も派手になり、貫録が出てくるにつれて、だんだん可愛くなくなっていくのもまた面白い。

あと、ザ・ドリームスが劇中で歌う楽曲の数々は、悪くはないのだけれど、どうしても本家のシュープリームスのあの素晴らしい名曲群と比べてしまうので、ちょっと物足りなく感じてしまう。

いや、比べる方が悪いのだけれど。