【映画】『シド・アンド・ナンシー』(1986・英) ★★☆☆☆

シド・アンド・ナンシー [Blu-ray]

【音楽映画の快楽】
Sid and Nancy

監督:アレックス・コックス
出演:ゲイリー・オールドマン、クロエ・ウェッブ
音楽:ジョー・ストラマー

「美しいまでに破滅的な恋人たちを描いたパンク・ムービーの金字塔」というキャッチコピーは、いくらなんでも自己評価が過大すぎるでしょう。誇大広告です。

たしかに主演の2人は上手く演じているし、腕のある監督だとは思うけれども、結局この映画からわたしはなんの感銘も受けず、退屈とげんなりしか感じませんでした。
「おまえには、破天荒なパンク・ロッカーのカッコ良さがわからんのだ!」と言われれば、もうそれは反論しませんけれども。

今のロック好きの若者たちがセックス・ピストルズをどう思っているのかまったく想像もつかないけれど、なにかシド・ヴィシャスをピストルズやパンクのシンボルみたいに思うような勘違いだけはしてないといいけどなあ、と思います。

まあ、そんなことは余計なお世話であることはわかっているけれど言わずにいられないのは、それはもう死んだほうがマシなぐらいの恥ずかしい勘違いだからです。

「友達だから」という理由でピストルズに入れたジョニー・ロットンも悪いけれど、結局シドはろくにベースも弾けないし、作品を書いたわけでもなく、バンドになにも貢献していないし、むしろ解散を早めた大きな要因ともなった、ただただピストルズの足を引っ張ったジャンキーに過ぎなかったのです。

シドとナンシーという2人のジャンキーの幼稚でみっともない戯れを描いた映画で、まあ映画なんていうものは美化するのも創造のうちだからそれはいいのだけれど、それならあそこに出てくるセックス・ピストルズももっと美化してくれよ、と頼みたいものです。

似てればいいってもんでもないし、似てなくてもいい場合もあるけれど、このセックス・ピストルズぐらいなんだか腹立たしくなるものはありません。

全然似てなくてもいいので、せめて、ピストルズを知らない少年たちが見て「カッコいいバンドだな」と思えばいいのですけど、思うかなあ、これで。

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