イギー・ポップ&ソニック・ユース/アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ(1987)

【コラボの快楽】
Iggy Pop & Sonic Youth – I Wanna Be Your Dog

1987年6月、ロンドンでのライヴの動画だ。

米アンダーグラウンド・ロック界のレジェンドと、当時気鋭の新王者による、今から見れば豪華な顔合わせだ。たぶん当時は話題にも上らなかっただろうけど。

イギーは元祖オルタナティヴ・ロックとして再び脚光を浴びる少し前、若干低迷中の頃で、ソニック・ユースはまだ一般的にはまったく知られていないインディーズ時代である。

1987年と言えば、地上ではボン・ジョヴィの「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」なんかが大ヒットしていたバブル時代の真っただ中だったが、一方の地下ではこんなトチ狂った暴力組織がすでに革命の準備を着々と進めていたというわけだった。

この曲はソニック・ユース単体でもよく演奏していて、ヴォーカルはいつもキムが取っている。

キムに「あなたの犬になりたい」なんて歌わせるなんて、旦那のサーストンもなかなかのものだ。キムは、ああ見えてドMではないかとわたしは想像している。想像は自由だ。

残念ながら、ソニック・ユースは2011年に解散してしまった。

原因はまさかの、サーストンの浮気による、キムとの離婚である。キムが偶然いやらしいショートメールを発見したという、そのへんのヤンキー夫婦みたいなことが事の発端であった。

その後、2人でカウンセリングを受けながらも、サーストンは女と会うのをやめなかったため、キムは仕方なく27年間の結婚生活に終止符を打ったという。

サーストンは「自分がソニック・ユースの解散を切り出したわけではないのに、ファンに非難されることに困惑している」と、とぼけたことを言っている。