名盤100選 48 ザ・ダムド『地獄に堕ちた野郎ども』(1977)

地獄に堕ちた野郎ども

そのニック・ロウがプロデュースしたダムドのファースト。
セックス・ピストルズよりも数ヶ月早い、ロンドン・パンク最初のアルバムである。

そういえばこのあいだ、G-大将の奥方が、なにかわたしがよく知らないアーティストのことを話しながら「いかにもごろーさんやフェイクアニが好きそうな、なんか起伏の無い、ダラーっとした、どこがいいのかわからないような曲で」などとのたまっていた。
フェイクアニ、われわれの好きな音楽のイメージはそんな感じらしいぞ。

ダムドを人に薦めたことはない。
それは美味いラーメンなら人に薦めるけど、激辛ラーメンは人に薦めないのと同じようなことだ。
ひどい音、テキトーな曲、すごい勢い、と三拍子揃った、パンクロックという言葉が最もふさわしいアルバムであり、名盤という言葉が最もふさわしくないアルバムである。

パンクロックが好きな人は今でも多い。
でもダムドなんて、今でも聴くのだろうか。
べつに聴かなくてもいいけど、でもダムドが好きなんて聞くと、ああ本当にパンクロックが好きなんだなあと思う。

わたしも長いあいだ聴いてなかったけど、これを書くために何年ぶりかに聴きなおした。
この騒々しさ。
この馬鹿馬鹿しさ。
この勢い。
この雄叫び。
この完成度の低さ。
この聴きづらさ。
このリアリティ。
ロックンロールってのはこういうもんだったな、と思う。

マニアックな意味ではあるが、このアルバムは凄い。
ここにはまだエルヴィスのファーストと同じ種類の、初期衝動によるロックンロール・マジックが存在する。
出会い頭のホームランのようなものかもしれないけど、まぐれで生まれる名盤だってあっていい。ジャケもサイコーだ。

32年前に結成されたダムドは実はまだやっていて、オリジナルメンバーではヴォーカルのデイヴ・ヴァニアンとギターのキャプテン・センシブルが残っている。
昨年10枚目のアルバムを発表した。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. フェイク・アニ より:

    起伏の無いダラーとした曲
    どんな曲なんだろね?(笑)