【ブリット・ポップの快楽】
Ash – Girl From Mars
Ash – Girl From Mars
アッシュは北アイルランドの出身ながら、彼らもまたブリット・ポップ・ムーヴメントの波に乗ってブレイクした。
この曲は彼らのメジャー・デビュー・アルバム『1977』からのシングルで、全英11位と彼らにとって初めてのヒットとなった。
「1977」とはヴォーカルのティムとベースのマークが生まれた年だ(ドラムのリックのみ2歳上)。
そしてもちろん、パンク・ロック・ムーヴメントの年でもあり、その年に生まれたことを誇りに思っているような感じでもある。
ティムとマークは当時18歳で、初期衝動が迸り、持て余すエネルギーとフラストレーションがそのままあの凄い音圧になったような演奏を聴くと、わたしなんかはほぼひと周り違うくたびれた旧人類のような気さえしたものだった。
でも、今思えば彼らがやっていた音楽は、60~70年代のブリティッシュ・ビートやパンクといった王道ブリティッシュ・ロックへの回帰みたいなものだったのだ。
もちろん今なら全然楽しく聴ける。過度にラウドなギターも、口づさみたくなるようなメロディも、好感以外のなにも感じない。
ちょっと最近のわたしは、四半世紀遅れてやってきたブリット・ポップ・ブームみたいな気分だ。
なんてこった。