ビッグ・スター/宿命の女(1975)

Big Star Third

【カバーの快楽】
Big Star – Femme Fatale

1972年デビューのビッグ・スターは、米メンフィス出身ながら、ブリティッシュ・ビートの影響が色濃いバンドだ。その音楽への評価は高かったもののセールスにはつながらず、3年程度の活動で解散してしまった。

しかし、その後も時代を超えて聴き継がれ、熱烈な支持者を世界各地で増やし、多くのアーティストたちにも影響を与えた、伝説のバンドとして高い評価を確立した。

この「宿命の女」は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコによる名曲の、会心のカバーだ。

ヴェルヴェッツの原曲ではニコが歌っているが、アレックス・チルトンの死にかけみたいな哀切な歌唱はそれを上回る美しさだ。決して上手いわけではないのだけれども。
今にもバラバラに壊れてしまいそうな繊細なアレンジもまた良い。

パワー・ポップの歴史に残る彼らの名盤3rdアルバム『Third/Sister Lovers』のハイライトのひとつだ。

↓ ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコのオリジナル。