ティン・ハウス『ティン・ハウス』(1970)【食わず嫌いロック】#10

Tin House (Expanded Edition)

Tin House
Tin House (1970)

わたしはとにかく若い頃から、ハード・ロックというジャンルは食わず嫌いで避けて通ってきたのであまり知識はなく、このバンドの名前も聞いたことはない。たまたま、とあるマニアックなレコード・ショップのWebサイトを見ていたら、ハード・ロック部門の売り上げ1位となっていたので、ちょっと気になり、試しに聴いてみたのだ。

これがなかなか、イケる。

ティン・ハウスはフロリダ出身で、メンバーはジェフ・コール(17歳・リードヴォーカルとベース)、フロイド・ラドフォード(17歳・ギター)、マイク・ローガン(18歳・ドラム)、という子供みたいな年齢の3ピースバンドだ。本作は1970年にリリースされた、彼らの唯一のアルバムである。

ソングライティングはそれほどでもないが、ギターはたいしたものだ。リズム隊もアグレッシヴでいい。これぞ初期衝動という勢いが存分にあるし、一方で若者らしからぬ重厚感もあったりする。

しかしレコードは売れなかったようで、この1枚のみで解散してしまった。現在本作はHR/HMマニア垂涎の人気レコードになっているらしい。

プロデューサーはギタリストのリック・デリンジャーが務めている。

そのコネクションからか、ティン・ハウス解散後、ギタリストのフロイド・ラドフォードは、ジョニー・ウインター・バンドに加入している。

(Goro)