No.087 ニルヴァーナ/スメルズ・ライク・ティーン・スピリット (1991)

Nevermind (Remastered)
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その87
Nirvana – Smells Like Teen Spirit

1991年は楽しかったなあ。

ソニック・ユースが『GOO』でメジャーデビューの扉を開いてから、さらにピクシーズやダイナソーJrやマッドハニーやスマッシング・パンプキンズなどが続々と出てきた。
中でも出世頭はこのニルヴァーナだ。

彼らの音楽はユーモアと殺伐と轟音ギターとわかりやすいメロディが融合し、まるで当時のわたしがロックに対して望むすべてのものが揃っているかのようだった。
それまでのMTVの派手派手ロックスターたちや、ニューウェーヴ以降の冷蔵庫みたいに冷たい感触しかしない音楽にうんざりしていた反動もあった。
マスコミや世間では彼らの音楽を「また別の、異質な」という意味で「オルタナティヴロック」と呼んでいたけど、わたしには「こっちのほうがフツーのロックだし」と思えた。

わたしは熱に浮かされたように貪り聴いた。
この頃がわたしが最もロックにのめりこんだ時代だ。

ロックの流れを変えたという意味で「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」は、セックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」以来のシングルだった。

アバやカーペンターズと変わらないぐらいわかりやすいメロディと、ラウドで殺伐とした70年代ハードロックのようなサウンドが見事に融合している。

ただし、こういうことはすでにソニック・ユースやピクシーズ、ダイナソーJrらと同じ路線とも言えたが、しかしニルヴァーナは彼らよりもさらにメロディメーカーとしての才能が素晴らしく、刺激的なサウンドの破壊力もズバ抜けていた。

この曲は大ヒットした。

オルタナティヴロックなんてものは完成度の低さも売りのひとつのようなものだったけど、その完成度を高めてピカピカに磨いてヒットチャートに送り込めたら面白いじゃないか、というのがカート・コバーンの狙いだったという。
そしてプロデューサーのブッチ・ヴィグの手腕が見事にそれを実現させたと言える。

そのあたりもピストルズの『勝手にしやがれ』の大ヒットの要因が、プロデューサーのクリス・トーマスのサウンドづくりによるものが大きいと言われるのと似ている。

そういえばアルバムのタイトルも『Nevermind』と『Never Mind the Bollocks』で、キンタマ(Bollocks)がついてるかついていないかの違いだけだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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コメント

  1. mooondreams より:

    こんにちは、はじめまして。ゴローさんのブログ
    60年代、70年代のロックの紹介が多くて楽しいね。

    >刺激的なサウンドの破壊力もズバ抜けていた。
    時代を代表するカッコいい曲、大好きです。アルバムジャケットも秀逸だし。
    カートが死去しなくてもきっとバンドは短命の雰囲気あったけどね。(笑)
    また、遊びに来ます。

    P.S.僕も、ニルヴァーナのブロク書いてました、↓よかったら
    https://blog.goo.ne.jp/moondreams/s/Nevermind

    • ゴロー より:

      コメントありがとうございます!

      ブログ読ませていただきました。
      われわれの世代にとってはニルヴァーナの衝撃(登場も、その最期も)は一生忘れられない事件でした。クラシックロックの中でもやはり特別な存在ですね。

      またよろしくお願いします!