No.229 ザ・ビートルズ/ア・デイ・イン・ザ・ライフ (1967)

SGT.PEPPER'S LONELY HE
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その229
The Beatles – A Day In The Life

ビートルズの1967年の名盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のラストを飾る名曲だ。
2010年のRolling Stone誌の企画「ビートルズ・グレイテスト・ソング」でも1位に選ばれるなど、ビートルズの最高作に挙げる人も多い曲だ。

わたしも後期のビートルズでは最も好きな曲のひとつだ。
この曲には人を惹きつけるなにか独特の情感がある。

ジョンが書いた曲の中間部にポールの書いた全然別の曲を挟み込んだ構成で、シンセではない本物のオーケストラが導入され、その音がまた何重にも重ねられたり、途中でテンポやリズムがコロコロ変わったり、目覚まし時計が鳴ったりと、遊び心や実験が満載なのだけど、この曲に関してはそれらすべてが見事にハマって成功しているように思う。

レノン&マッカートニーの意図するところははわからないけれど、わたしの想像ではそんなに深い意味の無い歌詞をいくつか組み合わせただけのように思える。
ただし、ジョンが書いた美しくせつないメロディだけは最大限生かしながら、ユーモアや、耳障りなものや、斬新な音の響きをつなぎ合わせて、聴き手が様々なイメージを想起させるような、そんな音楽にしたかったのではないかとわたしは想像する。

わたしが受け取ったこの曲のイメージはこんな感じだ。

毎日あくせく働きながら
ふと気づくとすぐ傍で
ぽっかりと口を開けて待っている
真っ黒けの闇
なんとかごまかしごまかし
そいつを避けながら生きている
おれの人生ってなんなのだろう

そんなふうに人生について考えれば考えるほど
孤独が募り、心が崩れそうになる
それでもややこしい顔に笑顔を貼りつけて
まだまだか、あともう少しか、生きていくしかない

なんて。
もちろんこんな歌詞は一切ありません。

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