≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その320
Bob Dylan – All Along The Watchtower
ディランの8枚目のアルバム『ジョン・ウェズリー・ハーディング』に収録された曲だ。
この曲はシングルカットはされなかったが、同年にジミ・ヘンドリクスのカバーによって有名になった。
ジミヘンのカバーはもちろん彼らしくエレキギターを中心とした、強烈なギターソロもたっぷりあるハードなロックバージョンとなっている。
ニール・ヤングやU2をはじめ、多くのアーティストにカバーされている曲だが、だいたいはやはりジミヘン版を意識したようなロックバージョンで演奏されているし、ディラン本人もライヴではエレキギターによるロックバージョンで演奏することがほとんどだ。
たしかにロックバージョンもいいのだけど、わたしはこの曲に関してはジミヘンよりもニールよりもU2よりも、オリジナルのアコースティックバージョンが圧倒的にカッコ良くて、好きなのだ。
きっとわたしは少数派に違いないだろうけど、どうしてもわたしはあのハーモニカのイントロで始まる、キレのいいアコギといつにも増してカッコいいヴォーカルによる、このバージョンがたまらなく好きなのである。
たった3つのコードのアコギとハーモニカによる、鮮烈なロックンロールだ。
まるでエルヴィスがサンレコードでアコギを抱えて歌っていた頃の、シンプルだが圧倒的に力強い名曲のようだ。