クリス・クリストファーソン/ホワイ・ミー(1972)

Jesus Was A Capricorn

≪カントリー・ロックの快楽≫
Kris Kristofferson – Why Me

クリス・クリストファーソンはテキサス出身のカントリー歌手・俳優である。

俳優としても立派なキャリアで、サム・ペキンパー監督、ボブ・ディランがサウンドトラックを務めた『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』で主演のビリー・ザ・キッドを演じ、『スター誕生』ではバーブラ・ストライサンドの相手役を務めてゴールデングローブ賞を受賞した。

カントリー歌手としては、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソンらとともに、〈アウトロー・カントリー〉と呼ばれた。

以前にこのブログでも取り上げた代表曲「サンデー・モーニング・カミング・ダウン」や、ジャニス・ジョプリンに提供した「ミー・アンド・ボビー・マギー」など、カントリーと言ってもかなりロック寄りのテイストである。
わたしは彼のこの、朴訥とした歌い方が結構好きだ。

この「ホワイ・ミー」は1972年のアルバム『ジーザス・ワズ・ア・カプリコーン』のエンディングを飾る曲で、神に救いを求めるゴスペル・ソングだ。ジャケットに映っている女性は当時の恋人、リタ・クーリッジである。

全米チャート16位まで上がり、さらに年間チャートでは6位となった大ヒット曲だ。最高位が16位なのに年間チャートで6位ということは、長期間売れ続けたということなのだろう。この曲がクリストファーソンのシングルとしては最も売れたものになった。
また、全米チャート入りした最後のゴスペル・ソングにもなった。

クリスチャンではないわたしでも、ちょっとは敬虔な気持ちにもなってしまうような、神への深い感謝のようなゴスペル・バラードだ。
ジョニー・キャッシュとレイ・チャールズのデュエットという豪華なカバー・バージョンも録音されている。

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