キャロル・キング/空が落ちてくる(1971)

Tapestry (2021 Vinyl) [12 inch Analog]

【70年代ロックの快楽】
Carole King – I Feel the Earth Move

キャロル・キングのソロ2ndアルバム『つづれおり(Tapestry)』は15週連続全米1位というモンスター・セールスを記録した。それまでの、多分に問題意識やメッセージ性が含まれていた60年代のフォークやロックに変わって、個人的で内省的な言葉を紡ぐ新しい時代のシンガー・ソングライターによる象徴的な作品だった。

キャロル・キングは60年代には元夫の作詞家ジェリー・ゴフィンとのコンビで様々なアーティストに曲を提供して大ヒットを連発した作曲家だった。

その昔、日本では「男は度胸、女は愛嬌」なんてことを言ったものだが(今なら差別語として愛嬌のない人々から糾弾されるに違いない)、彼女が60年代に書いた楽曲にはまさにそんな「愛嬌」の魅力にあふれる楽曲が多かった。

しかし、このソロ・アルバムでは自分で歌うことを前提に、自ら歌詞も書き、愛嬌だけではない素の自分を曝け出したことで、より深く心に響き、共感できる音楽へとさらに成長を遂げた。

この曲はアルバムのオープニングを飾る、力強くてアグレッシヴな曲だ。どうやら性行為のことを歌っているらしい、かなり大胆な内容だ。
そんな中でも、ちゃんと愛嬌がチラリと見える瞬間もあるのが、彼女らしい。
そういう女性にわたしは滅法弱いのだ。

Visited 59 times, 1 visit(s) today

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 遠州ヒマ助 より:

    こんばんは。
    この曲,いいですよね。名盤「つづれおり」を一通り聴くと,1曲目はこの曲しかないと思えます。まあこのアルバムはどの曲もレベルが高いですよね。個人的には「地の果てまでも」が好きです。

    • ゴロー より:

      「地の果てまでも」もいいですね。

      あの曲は、歌詞で描かれている女性の考えが古風すぎて当時のウーマン・リヴ的な風潮に合わないからという理由で滅多に歌われなかったそうですね。それだって人それぞれ、多様性のうちだから、いいじゃないかと今なら思いますけど。

      2000年にTVドラマの主題歌になったときに歌詞を一部変えて娘とデュエットして録音し直してますね。どう歌詞を変えたのかは知りませんけれども(笑)