≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その210
Howlin’ Wolf Spoonful
ウルフ大先生は1951年に41歳でデビューした、かなりの遅咲きである。
この「スプーンフル」も50歳での録音ということになる。
すごくシンプルな曲だけど、すでに老成しているような大先生の重量級のヴォーカルと、巨人の歩みみたいな独特のグルーヴがこの曲を魅力的なものにし、斬り合いのようなギターの空中戦がとどめを刺す。
いろんなアーティストのバージョンがあるけど、わたしにとってはこれ以上のものは無い。
歌詞はたぶんだけど、クスリのことでもあり女性のことでもあり人生のことでもあるように、多義的に書かれている。
ダイヤのスプーン一杯で満足だ
金のスプーン一杯で満たされる
おまえの愛のスプーン一杯でおれの魂は満たされる男たちはそのことで嘘をつき
そのことで泣き、そのことで死ぬ
すべてはスプーン一杯のことで争ってるのさ
たったスプーン一杯のことで
(written by Willie Dixon)
わたしは若い頃はこの先生のことはよくわからなかったけど、今あらためて聴くとすごく良いので、大先生と呼んでいる。
やはり年を取らないとわからないことはたくさんあるものだ。