No.203 マディ・ウォーターズ/マニッシュ・ボーイ (1955)

リアル・フォーク・ブルース
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その203
Muddy Waters – Mannish Boy

オレは「BOY」じゃない、「MAN」だ!と叫ぶ、アケスケでビンビンな、ホレボレするぐらいカッコいい、彼こそホンモノの男、マディ・ウォーターズの代表曲だ。

マディの歌を聴くと、これが「歌う」ということなんだなあ、とその声の響きと、キレと、震えるような余韻にうっとりしてしまう。
間違いなく史上最も素晴らしいヴォーカリストのひとりだ。

これによく似た曲にマディの「フーチー・クーチー・マン」とボ・ディドリーの「アイム・ア・マン」という曲があるけど、それにはこういう経緯があったらしい。

まず最初にチェスレコードの天才ソングライター、ウィリー・ディクソンが「フーチー・クーチー・マン」を書いてマディが歌い、そのリフを使ってボ・ディドリーが「アイム・ア・マン」を書いて歌い、さらにその曲への返答として「アイム・ア・マン」をマディが改作して歌ったものが「マニッシュ・ボーイ」なんだそうだ。

ややこしいけど、なんだかいい時代だな。

この曲は、マディの「オーーーイェ~」という掛け声にギターが呼応するように弾かれるところから始まる。
そのやり取りが少しあって、それからイントロの力強いリフが始まるのだ。
これにまずシビれる。

サビではマディの「アマメーーン!」という雄叫びのたびに観客(?)が「イヤァーー!」と応える。
これにもシビれる。

そういう演出みたいな効果まで含めてこの曲はものスゴくカッコよく出来ているのだ。

ローリング・ストーンズの1975年のライヴアルバム『ラヴ・ユー・ライヴ』にこの曲のカヴァーが収められている。

さすがのストーンズは、イントロもサビの観客の歓声もすべてをしっかり再現した完璧なカバーだ。