No.282 ライド/ライク・ア・デイドリーム (1990)

SMILE
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その282
Ride – Like A Daydream

全国のシューゲイザーファンの皆様、お待たせしました。ライドです。

いやストーン・ローゼズなんかとは違って、本当にあまり中身の無い、ほぼ勢いだけの曲である。
でも当時のわれわれは、この閃光のように目映い輝きと、一瞬で散ってしまう儚さのようなこの曲に、胸を貫かれたのだ。

初めてギターを手にした子供のようにかき鳴らす轟音ギターと、なんとなくポジティヴで美しく聴こえる世にもシンプルな歌メロ。それ以外にはなにもないところが潔くて、感動的ですらあった。

技量も引き出しも無いからこういうシンプルな曲しかできないバンドと、それだけで充分!と受け止めることができた同世代のリスナーの、幸福な関係である。
このバンドを取り上げるのに少しだけためらい、手放しで絶賛する気にまではならないのは、なんとなくこの身内感が強いせいだろう。

1990年にデビューしたイギリスのバンド、ライドの2ndシングル。彼らの代表曲だ。
その、下を向いたまま無表情にギターを力まかせにかき鳴らす演奏スタイルは「シューゲイザー(靴を見つめる人)」と呼ばれた。

当時20代前半のわたしはなんだか道に迷ったような人生を送っていたので、わたしもやはり心は「靴を見つめる人」のようだったのだ。
それに、あいつもそうだった。
いろいろ、思い入れの深い曲だ。

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