マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン/ユー・メイド・ミー・リアライズ (1988)【’80s Rock Masterpiece】

You Made Me Realise EP

My Bloody Valentine
You made me realise (1988)

またまた騒々しい曲で申し訳ない。

1stアルバム『イズント・エニシング』から遡ること3ヶ月前の1988年8月にリリースされた、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのクリエイション移籍後初のシングルだ。これが彼らにとってのブレイク作となった。アルバムには収録されていない。

それまでの彼らのサイケ&ネオアコ風爽やか青春ロックみたいなのとは異なり、ギザギザにささくれ立ったギターが暴力的な轟音で荒れ狂い、ノイズを盛大に噴射しながらもキャッチーであるという、これがケヴィン・シールズの言う「ダイナソーJr.に影響を受けた」ことで生まれたスタイルなのだろう。

今あらためて聴くとかなり荒っぽい曲ではあるし、なに歌ってるかやっぱりよくわからないけれども、「とにかくギターをでっかい音で鳴らしたい!」という初期衝動そのままの青クサい勢いがこれぞロックという感じで圧倒的にカッコ良い。最高だ。

ジャケも素敵だ。この女性はメンバーではなく、友人らしいのだけれど、花とナイフとそしてどこか狂気を秘めたような恍惚とした表情がマイブラの音楽性をよく表しているように思う。わたしはこのシングルは持っていなかったが、もし当時見かけていたら、マイブラの名前を知らなかったとしてもジャケ買いしていただろうと思う。

(Goro)