はじめてのライド【必聴名曲5選】5 RIDE Songs to Listen to First

Ride's Nowhere at 25 and the Evolution of Shoegaze | Pitchfork

1990年「ついに時代が変わったな」 とわたしが確信したのは、ローリング・ストーンズの初来日でも第2次海部内閣の発足でも任天堂スーパーファミコンの発売でもなく、ライドの初期の2枚のEPを合わせた日本盤『スマイル』を聴いたときだった。

わたしはそれまで、80年代に流行した、ドラムがパシャーン、シンセがピコピコーンみたいな薄っぺらなサウンドが好きでは無くて、60~70年代の古いロックばかり聴いていたのだ。

そのわたしが急にリアルタイムのロック・シーンに注目し始めたのが、この時代だった。
特にこのライドは衝撃的だった。マジで鳥肌が立った。

若者らしいフラストレーションが暴発したみたいな轟音ギターと、焦燥感で今にもつんのめりそうに疾走するドラム、なのに歌メロはなぜかポジティヴなエネルギーに溢れ、夢見るような美しさが爽快だった。

それまでの、いかにもロック・アーティストらしいアウトサイダー的なイメージはまったくなく、ごく普通の少年たちによる、若くて、未熟で、無垢で、青春で、怖いもの知らず、そんな刹那的な魅力がライドの音楽からあふれ出ていた。

彼らの活躍は永くは続かなかったけれど、それも当然のことのように思えた。
あの目も眩むフラッシュの光のようなエネルギーの放出を持続することは困難だったろう。だからこそ尊く、あの瞬間に彼らを見つめた者たちだけが、あの一瞬の美しさを体験できた気がする。

だからもしかするとこうして30年後にクラシック・ロックとして紹介するのはライドの場合、間違っているのかもしれない。世代を超えて聴き継がれるべき名曲、なんてものでもない気がする。
30年前に一瞬だけ放たれた奇跡のような光が、今も伝わるのかどうかはわからない。でもそれはもう、新しいリスナーたちに委ねるしかない。

以下は、わたしが愛したライドの至極の名曲ベスト5です。

チェルシー・ガール(1990)
Chelsea Girl

ライドの4曲入りデビューEP『RIDE』収録曲。轟音ツインギターと疾走感溢れるドラムという攻撃的なサウンドと、青春の甘酸っぱい香りが漂うポジティヴでドリーミィなメロディという意外な組み合わせがとにかく斬新だった。
エンディングでいったん終わると見せかけてまた続けるところなんて、あざといとわかっていてもシビれてしまう。

「チェルシー・ガール」の過去記事はこちら

ライク・ア・デイドリーム(1990)
Like a Daydream

2枚目のEP『Play』収録曲。曲の冒頭から、いきなり鳥肌もの。わたしはこの曲がライドの最高傑作であり、シューゲイザーを代表する名曲だと思っている。

「ライク・ア・デイドリーム」の過去記事はこちら

テイスト(1990)
Taste

3枚目のEP『Fall』収録曲。同じような曲ばかりで申し訳ないが、そんなに引き出しの多いバンドではないので仕方がない。
ここから後はもっと落ち着いて、よりドリーミィというか浮遊感のあるサイケデリックみたいな方向性に向かけれども、わたしはやっぱり闇雲に疾走してるライドが好きなのだ。

リーヴ・ゼム・オール・ビハインド(1992)
Leave Them All Behind

全英5位となった2ndアルバム『ゴーイング・ブランク・アゲイン(Going Blank Again)』のオープニング・トラック。
ツインギターの轟音がどこまでも高まっていくような8分を超える大曲で、ライドの代表曲として知られている。シングル・カットもされ、全英9位と、ライドにとって唯一のトップ10入りを果たしたシングルとなった。

ツイステレラ(1992)
Twisterella

2nd『ゴーイング・ブランク・アゲイン』からの2曲目のシングル。ライドの中でも最もポップな曲のひとつで、わたしなどはこのイントロを聴くだけで胸が熱くなる。心の調子によっては泣けてきたりもする。〈青春〉なのよねえ。

選んだ5曲を続けて聴けるYouTubeプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

♪プレイリスト⇒はじめてのライド【必聴名曲5選】はこちら

また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。

はじめてのライド【必聴名曲5選】5 RIDE Songs to Listen to First (goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

入門用にライドのアルバムを最初に聴くなら、ベスト盤の『OX4:The Best Of Ride』がお薦め。ここで選んだ5曲はもちろん、最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されています。

(by goro)

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