ドクター・ジョン/ライト・プレイス・ロング・タイム(1973)

In the Right Place

【70年代ロックの快楽】
Dr.John – Right Place Wrong Time

米国ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のドクター・ジョンは、1967年にデビューした。

元々はギタリストとして活動していたそうだが、1961年に友人をかばって左手に銃弾を浴び、薬指が動かなくなったことでピアニストに転向したという。

ニュー・オーリンズはジャズが誕生した街として知られる。

ポップス畑ではファッツ・ドミノがその扉を開いたゴッドファーザーとして知られるが、このドクター・ジョンはニューオーリンズのジビエを使った濃厚なR&B煮込みにブードゥーの呪いで味を調えた、好事家にはたまらない独特のニューオーリンズ・ロックを確立した。

この曲は彼の6作目のアルバム『イン・ザ・ライト・プレイス』の冒頭を飾る曲で、シングルカットされて全米第9位の大ヒットとなった。これが彼の最大のヒットとなった。

同じニューオーリンズ出身のミーターズがリズム・セクションで参加していることもあり、ファンク色が濃いものになっている。プロデューサーはアラン・トゥーサン。

ドクター・ジョンは2019年6月6日に心臓発作を起こし、この星での77年の旅を終えて去った。彼にしか生み出せなかった独特の音楽は、この星にしこたま遺されたままだ。やったぜ。

わたしは彼の音楽を多く聴いたわけではないけれど、ロックを聴きながらもっとディープなものを、さらにディープなものを、と求め続けると、深く昏い森の奥の、昼でも光の差さない沼地のような場所で、この呪術師の奏でるやけに楽し気な音楽に出会うのである。
ぜひ一度旅してみることをお薦めする。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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