【パブ・ロックの快楽】
Ian Dury – Sex & Drugs & Rock ‘n’ Roll
Ian Dury – Sex & Drugs & Rock ‘n’ Roll
ロンドン出身のイアン・デューリーは、幼い頃に小児麻痺を患ったために、左半身が不自由だった。
バンド活動は学生の頃からしていたものの、キルバーン&ザ・ハイローズとしてレコードデビューしたのは32歳の時。2枚のレコードを残したものの、お蔵入りになったり売れなかったり。
34歳になった1977年、スティッフと契約して再デビューしたシングルがこの「セックス&ドラッグ&ロックンロール」で、全英2位の大ヒットとなった。
酒臭い息でよだれを垂らしながら歌うような、ねちっこいヴォーカルが、洗練されないゴツゴツとしたファンクのリズムに乗り、どうやっても話の通じない相手のようにグイグイと腰をぶつけてくる、そんな強靭さが魅力だ。大きく言えば、レッチリと同じジャンルと言えるかもしれない。言えないかもしれない。
「セックス、ドラッグ、ロックンロール、おれの脳みそと身体に必要なのはそれだけ」と歌う、いつものように本能のままに生きるイアン・デューリーらしい歌だ。
ロック的な破天荒な生活を指すときによく使われる「セックス、ドラッグ&ロックンロール」という言葉はこの曲が起源だとも言われる。
彼もまたパブ・ロックの代表格として知られ、人気を博したが、2000年に残念ながら癌のため死去した。57歳だった。
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