はじめてのエルヴィス・コステロ【必聴名曲5選】5 Elvis Costello Songs to Listen to First

ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ

ロンドン出身のエルヴィス・コステロは、1970年代半ばにフリップ・シティというバンドを率いてパブで演奏していた、英国パブ・ロックの一派だ。

当時ライヴで競演していたブリンズリー・シュウォーツのニック・ロウに誘われてスティッフ・レコードと契約し、彼のプロデュースで1977年にソロ・デビューした。

初期のコステロの作風は、パブ・ロックとパンクの中間のような、ポップでもあるけど攻撃的でもあり、政治的な内容のものやイギリス社会の現状に対するシニカルな歌詞などが強い印象を残した。

また、見た目はバディ・ホリーを想起させるオールド・ロックンロール風でもあり、同時に当時最新流行のニュー・ウェイヴ風でもあるという、様々な角度から注目される特異な存在であった。

その良い意味で八方美人的な存在感と、ポップ・センス溢れるソングライティング、そしてあの天性の声で、彼はパブ・ロック界隈からのいちばんの出世頭となった。

その後もジャズやクラシックなどのジャンルの垣根を超えたアーティストたちと共演するなど、ロックの枠に収まらない活躍を続けている。

以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきエルヴィス・コステロの至極の名曲5選です。

アリソン(1977)
Alison

1stアルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー(My Aim is True)』収録曲で、アルバム・タイトルはこの曲の歌詞の一節から取られている。コステロの最高傑作であることはもちろん、ロック史に残る美しく情熱的な名バラードだ。

「アリソン」の過去記事はこちら

パンプ・イット・アップ(1978)
Pump It Up

2ndアルバム『ディス・イヤーズ・モデル(This Year’s Model)』からのシングルで、叩きつけるような野蛮ビートのアグレッシヴなグルーヴがカッコいい。たしかミスチルが「シーソーゲーム」でこれを真似たようなPVを作ってたな。

「パンプ・イット・アップ」の過去記事はこちら

オリヴァーズ・アーミー(1979)
Oliver’s Army

3rdアルバム『アームド・フォーセス (Armed Forces)』からのシングルで、全英2位とコステロにとって最もヒットした代表曲だ。

溢れるポップ・センスとニューウェイヴ的な鮮烈なサウンドとユーモラスなPVで、17世紀アイルランドで大虐殺を行ったオリヴァー・クロムウェル率いる英国軍を例に出して、大英帝国の覇権主義について歌うというギャップも含め、コステロの持ち味が最大限に生かされた名曲だ。

グッド・イヤー・フォー・ローゼズ(1981)
A Good Year for the Roses

すべてカントリー・ソングのカバーで構成された6thアルバム『オールモスト・ブルー(Almost Blue)』からのシングル。全英6位の大ヒットとなった。

ニュー・ウェイヴ真っただ中の時代にカントリー・アルバムを出すのは大博打だっただろうけど、結果は全英7位と前作よりも売れ、さらに彼の音楽性の幅を拡げる成功作となった。

この曲はカントリー史上のスーパー・レジェンド、ジョージ・ジョーンズの名曲のカバーだ。

ヴェロニカ(1989)
Veronica

ワーナーに移籍して初めてのアルバム『スパイク』からのシングルで、ポール・マッカートニーとの共作である。全米19位とアメリカでのチャート最高位となる大ヒットとなった。

フジテレビの朝の情報番組『とくダネ!』のテーマ曲として使用されていた(1999~2003)ので、聴けば小倉智昭の顔が浮かぶ人も多いだろう。たぶん日本では一番有名なコステロ・ナンバーだ。

選んだ5曲がぶっ続けで聴けるプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

♪プレイリスト⇒ はじめてのエルヴィス・コステロ【必聴名曲5選】はこちら

入門用にエルヴィス・コステロのアルバムを最初に聴くなら、『ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ』がお薦め。最初に聴くべき代表曲はほぼ網羅されています。

(by goro)

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