Teenage Fanclub – Like a Virgin
スコットランドのバンド、ティーンエイジ・ファンクラブの、1990年にインディーズから発売された1stアルバムと、メジャー・デビューとなった2ndアルバムの間にイギリスでのみ発売された、よくわからない編集盤『The King』に収録された、マドンナの名曲のカバー。
このアルバムはただただギターをかき鳴らしたいだけの中二病みたいなアルバムだ。全9曲中、ヴォーカルが入っているのはこの1曲のみである。
よくわからないアルバムではあるが、わたしは当時輸入盤を探しまわって買ったものだった。
こんなものまで買ってたんだなあと、あの頃のオルタナ熱に浮かされたような自分思い出す。なにしろ、1991年なのだ。
アルバム自体は残念ながらインストばかりなのであまり気に入らなかったけど、この「ライク・ア・ヴァージン」だけはちょっと気に入った。
とてもプロとは思えない、楽器を手に入れたばかりの中二たちがとりあえず知ってる曲を、大好きなニール・ヤングやダイナソーJrを真似て、できるだけうるさく弾いてみた、みたいな演奏だ。
当時のわたしは、上手すぎるヴォーカルや、超人的な演奏や、磨き上げられたサウンドなどというものが、反吐が出るほど嫌いだったので、それと真逆の、脱力感溢れるヴォーカルや、耳が腐りそうなノイズだらけのテキトーな演奏に、ロックの本来の生々しさや、凶暴さや、ユーモアや、破壊力を感じて、喜びに打ち震えていたのである。
実を言うと、今でもそういうロックをわたしは聴きたがっている。
でもそんなロックにぜんぜん出会わないから、困ったもんだ。
↓ マドンナのオリジナル。