ティーンエイジ・ファンクラブ/ノーマン3(1993)

THIRTEEN [2LP] (REMASTERED, IMPORT) [12 inch Analog]

【90年代ロックの快楽】
Teenage Fanclub – Norman 3

1990年にデビューしたスコットランドのバンド、ティーンエイジ・ファンクラブ(以下TFC)は、当時のオルタナティヴ・ロックを象徴する、ポップな歌メロとノイジーでうるさいギターの融合を最も理想的に実現させたバンドのひとつだった。

主要メンバーの2人、ノーマン(v&g)とジェラード(v&b)が中心に曲を書き、あとの2人(ギターとドラム)もときどき曲を書き、それぞれが自作でヴォーカルを取るという、まんまビートルズのシステムを踏襲していた。

この曲は93年発表の3rd『サーティーン(Thirteen)』からのシングルで、ノーマンの作だ。わたしはどちらかというとノーマン派なのだ。

なんて、まるでジョン派とポール派みたいなのがTFCにもいっちょまえにあるかのように書いてみたけど、実際にはそんな派なんて聞いたことないのであった。

制作中に「ノーマンの3曲目」という意味で付けられた仮タイトルがそのまま正式タイトルになっている。TFCはタイトルの付け方がいい加減なのも特徴だ。

出だしから、いかにもノーマンらしい、フックのあるメロディ。当時のオルタナ系でここまで歌メロを重視したのは彼らとニルヴァーナ、オアシスぐらいのものだった。

なのに、歌メロの素晴らしいバース部分は最初の1分15秒で終わり、残りの3分半は8小節のサビを延々と11回リフレインするという気違いじみた曲だ。
5回目のリフレインぐらいで「もう、いいよ」という気分になるけれど、それからあと6回も続くのだ。
最初に聴いたときは、ホントにバカなのかと思って、ますます好きになった。

口づさみ始めると、どこで終わっていいのかわからず、終わらなくなってしまうので、困るけれども。

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