マドンナ/ハング・アップ(2005)

Confessions on a Dance Floor [12 inch Analog]

【サンプリングの快楽】
Madonna – Hung Up

Songwriters:Madonna, Stuart Price, Benny Andersson, Björn Ulvaeus

2005年発表のアルバム『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア (Confessions on a Dance Floor)』からの先行シングル。
全世界で900万枚を売り上げ、マドンナにとって最も売れたシングルとなった。

アバの「ギミー・ギミー・ギミー」のイントロをサンプリングして、主役に据えた曲だ。

アバはサンプリングを認めないことでも有名だそうで、この曲がサンプリングを許可した2例目だったそうだ(1例目はフージーズ)。

なにしろアバとマドンナの共演である。売れないわけはないが、それにしてもこのカッコいい使いかたにはシビれた。

サンプリングなんて一歩間違えばパクリみたいなものになりかねないし、くだらない曲に使われたりすると原曲の価値まで下落するものだけれど、こんなふうにリスペクトをこめて堂々たる主役に据える使い方なら良いものだ。原曲があらためてカッコ良く思えてくる。

「時はゆっくりと過ぎてゆく」というフレーズが何度も繰り返されて静かに曲が始まると、中学生のわたしが聴いていた「ギミー・ギミー・ギミー」のあのイントロが、1979年の彼方からタイムスリップしてきたみたいに徐々にフェード・インしてきて、21世紀のパワフルなダンス・ビートと混ざり合う瞬間が、感動的にカッコいい。

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