マディ・ウォーターズ/フーチー・クーチー・マン (1954)【’50s Rock Masterpiece】

Hoochie Coochie Man [12 inch Analog]

【50年代ロックの名曲】
Muddy Waters
Hoochie Coochie Man (1954)

どうやら「Hoochie」というのが男性器で、「Coochie」というのが女性器のことらしい。

「おれが生まれる前、ジプシーの女がおふくろにこう言った。生まれてくる赤ん坊はきっと、女という女を悶絶させる男になるよ、と。そうさ、このおれがそのフーチー・クーチー・マンだ」

そんなお下品極まりない歌詞で、タイトルはそのままマディの異名となった代表曲だ。まさに彼は女という女を悶絶させた、男の中の男だった。

マディ・ウォーターズ・バンドのベーシストで、チェスレコードの屋台骨を支えた名ソングライター、ウィリー・ディクスンの作である。
彼は元ヘヴィー級のボクサーだったそうだが、この曲もまさに、ブルース界のヘヴィー級チャンピオンみたいなド迫力の名曲だ。

また、この曲は初めてフルバンドで録音されたシカゴ・ブルースなんだそうだ。

張りつめた緊張感の中で行う「だるまさんがころんだ」みたいな、半小節ずつ全合奏と全休止を繰り返すパターンはこの曲から始まったということになるのだろう。当然ながら、その後このパターンはパクられまくることになる。

米R&Bチャート3位と、マディにとってのチャート最高位となった大ヒット曲だ。

(Goro)