バッファロー・スプリングフィールド/フォー・ホワット・イッツ・ワース(1966)

Buffalo Springfield

【60年代ロックの快楽】
Buffalo Springfield – For What It’s Worth

1966年発表の1stアルバム『バッファロー・スプリングフィールド』からのシングルで、スティーヴン・スティルスの作。リード・ヴォーカルもスティルスだ。
全米7位のヒットとなり、彼らの出世作となった。バッファローはヒット曲に恵まれず、全米TOP10に入ったシングルはこの1曲だけだ。

この年、夜遅くまで遊んでいる若者たちが風紀や治安を乱すと問題になり、それを排除しようと市が夜間外出禁止令を発出した。それに対して抗議のデモが起こり、ハリウッドのサンセット大通りで1000人規模の若者と警官隊が衝突するという事件が起きた。

当時バッファロー・スプリングフィールドは、その通りにあったナイトクラブで定期的に演奏しており、この曲はその事件に触発されてスティーヴン・スティルスが書いたものだ。

誰もが自分が正しいと言い
誰もが向こうが間違っていると言う
だったら誰も正しくはないんだ

もうやめるべきだ
その時が来たよ
なんだあの音は?
いったいなにが起こっているんだ?

(written by Stephen Stills)

また当時はベトナム戦争真っただ中で、反戦の意識が高まっていたこともあり、広い意味での反戦歌とも解釈され、支持を得た。

フォーク・ロックから発展し、ブリティッシュ・ビートの要素も取り入れながら、カントリー風味もあり、サイケデリック的でもあるという、エポック・メイキングかつオリジナリティ溢れる傑作だ。

この動画は、曲がヒットしたため呼ばれたテレビ出演時のものだが、ちょうどこの時期はベーシストのブルース・パーマーがマリファナの所持で逮捕されて留置所に入っていたため、急遽ローディーを代役にしたという。だからベーシストが一人だけカメラに背を向けて、顔も手も映さないようにしている。音も、前もって収録した音源を流しているようだ。
ニール・ヤングはほんの一瞬しか映らないが、ワイルドなモミアゲがすこぶる印象的だ。

↓ キッド・ロックによるカバー。ガラッと雰囲気が違うカッコいいアレンジだ。

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