No.066 リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ/ブランク・ジェネレーション (1977)

Blank Generation
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その66
Richard Hell – Blank Generation

そのジョニー・サンダースと交流があったリチャード・ヘルの音楽人生は、さらに恵まれないものだったのかもしれない。

まずテレヴィジョンに誘われてそれを断り、今度はマルコム・マクラレンから後にセックス・ピストルズとなるバンドに誘われるがそれも断り、ジョニー・サンダースとハートブレイカーズを結成するが、たった1カ月で脱退する。

まあたぶんだけど、人付き合いが苦手なタイプらしい。

その後ヴォイドイズと共に、この名曲が入ったファーストアルバムを出して有名になるものの、ドラッグとかなんやかんやでそのあとは続かなかった。

道がふたつに分かれていたら、本能的にいばらの道のほうを選ぶタイプなのかもしれない。
わたしなんかもまあそんな感じだ。きっと後悔に満ちた人生だろう。

しかし、髪を立てるとか、破れたシャツを着るとか、エキセントリックなヴォーカルスタイルとか、いわゆるパンクのイメージというのはこのリチャード・ヘルが元祖だといっても過言ではないらしい。
彼の歌い方やビジュアルをロンドンパンクの連中がこぞってマネした。

まあ、あの時代のNYパンクのテーマ曲みたいな、こんな名曲が発表できたのだから、もうそれだけで一生リスペクトされていいのである。

ソニック・ユースのメンバーたちが彼のことをすごくリスペクトして、1992年には一緒にバンドを組み、≪ディム・スターズ≫名義でCDを出したりしていたのがとてもうれしかった。