【映画】『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005 米)★★★★☆

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 [DVD]

【音楽映画の快楽】#6
Walk the Line

監督:ジェームズ・マンゴールド
主演:ホアキン・フェニックス、リーズ・ウィザースプーン
音楽:T=ボーン・バーネット

米カントリー界の特大レジェンド、ジョニー・キャッシュの半生、ジューン・カーターと結婚するまでを描いた作品。

ジューンへの想いや葛藤を中心に描かれてはいるものの、少年時代に兄を亡くしたこと、それに伴う父親との関係性、そして歌手としてデビューし栄光の道を歩むが、麻薬に溺れて逮捕されたり、刑務所での慰問ライヴに力を注いだりと、若きジョニー・キャッシュが深く掘り下げて描かれている。

なによりも、ジョニー役のホアキン・フェニックスも、ジューン役のリーズ・ウィザースプーンの2人が素晴らしい。

口パクでなくそれぞれ自分で歌っていてあのクオリティは凄いし、ジョニーが歌うときの体の動かし方なんかもちゃんと真似している。そして見た目を真似る以上に、彼らは2人の持つ性格やスピリットを再現しようと努めているように見えた。

ホアキンはフォルサム刑務所での「コケイン・ブルース」がめちゃカッコ良かったな。

音楽監督は米カントリー界の重鎮T=ボーン・バーネットで、当時のサウンドも再現するほどの本格的なものだ。

音楽への才能とカリスマ性は凄いが、生活能力ゼロのダメ男ジョニーを引き受ける、肝っ玉母さんのようなジューンをリーズはいかにも芯の強そうな女性として見事に演じ、アカデミー主演女優賞を獲得した。

ジョニー・キャッシュの細かいエピソード、最初のバック・バンドは近所の自動車修理工たちだったとか、代表曲「リング・オブ・ファイア」は実はジューンが書いたとか、ファン以外にはどうでもいいけれど、ファンにとっては嬉しいちょっとしたイイ話をちゃんと抑えてさりげなく盛り込んでくれるのは伝記映画のお手本とも言える。