【映画】『ザ・シンガー』(1979米) ★★★☆☆

ザ・シンガー(死ぬまでにこれは観ろ! ) [DVD]

【音楽映画の快楽】
Elvis

監督:ジョン・カーペンター
主演:カート・ラッセル

エルヴィス・プレスリーの少年時代から、デビューの経緯と爆発的な成功、プリシラとの恋愛・結婚、徴兵による入隊、その後の低迷と苦悩、そして1969年のラスベガスのショーでの復活までの物語。
TV用に作られた2時間半におよぶ映画で、その後再編集されて劇場でも公開された。

同じようなエルヴィスの音楽伝記映画は、2005年の3時間の大作ドラマ『ELVIS エルヴィス』を以前にここで紹介した。⇒『ELVIS エルヴィス』の過去記事はこちら

2005年版のほうは、マネージャーだったトム・パーカー大佐との主従関係や、不倫スキャンダル、ビートルズへの憎悪、哲学や宗教への傾倒、浪費癖など、影の部分への斬り込みが深い印象だった。こちらの79年版は、当時まだエルヴィスの死後2年ということもあってか、エルヴィスへのリスペクトや愛情が強く感じられ、あまりいらんことまでは斬り込まず、様々な問題は仄めかす程度に留められている。それでもエルヴィスの、異様とも思える母親への強い愛情はわりと強調して描かれているけれど。

しかし俳優陣も良く、観ていて楽しい映画だ。
特にエルヴィスを演じたカート・ラッセルは素晴らしい。また、この作品は彼にとって、後の名コンビとなるジョン・カーペンター監督との出会いとなった重要な作品でもある。

もともとエルヴィスとカート・ラッセルは見た目はぜんぜん似ていないと思うけれど、髪型や身のこなし、喋り方などを研究して、演技力でエルヴィスになりきっている(歌声はカントリー歌手ロニー・マクダウェルによる吹き替え)。

やっぱりいい俳優だなあ、とあらためて思った。

動画はわたしの好きなシーンで、エルヴィスの自宅で「サスピシャス・マインド」のリハーサルをしているところだ。

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