ビッグ・スター「ザ・バラッド・オブ・エル・グード」(1972)

NO.1 RECORD (REMASTERED)

【70年代ロックの快楽】
Big Star The Ballad Of El Goodo

ビッグ・スターというバンド名を目にしたり、なにかの会話の中で自分で口にしたりするたびに、熱い想いとせつない想いが同時にこみあげるような気分になる。
熱い想いは、まったく売れなかったが素晴らしいアルバムを残した真に伝説的と呼ぶにふさわしいバンドだからであり、せつない想いは、それを知る人にいまだかつてひとりも会ったことがなく、その思いを誰とも共有することがないからだ。

70年代に活動したメンフィス出身のバンド、ビッグ・スターは、その名が皮肉としか思えないほど、ほとんど知られていない。ビッグでもなければスターでもないバンドだ

しかしパワー・ポップの元祖として90年代にティーンエイジ・ファンクラブやR.E.M.が影響を公言するようになるとその名が広まり、わたしも輸入盤ショップで彼らが残した3枚のアルバムを手に入れた。わたしはどのアルバムもとても気に入ったが、とくにサードにわたしは魅かれ、このブログにも6年前に名盤100選に選んで記事を書いた

ためしに今、Googleで「ビッグ・スター サード」で検索してみると、Amazonのその次にわたしのブログの記事が出てきた。
またしてもなんだか熱いのと切ないのがいっしょにこみあげてくる

わたしはその記事で、このサードはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファーストと同程度の名盤だと書いているが、ちなみにビッグ・スターのファーストも素晴らしく、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのサードに匹敵するような名盤である

ヴェルヴェッツから1曲選ぶのと同じようなもので、ヒット曲の無いビッグ・スターからどの曲を選ぶべきかかなり迷っていたのだが、Youtubeを探してみると、意外なことにちゃんとしたライヴ動画があって驚いた。
1994年の再結成時の動画のようだが、わたしには実はこれが初めて見る、動くビッグ・スターであり、とてもとても感動した。もうなんだかよくわからないがちょっと泣けてきそうな感じだ。ファーストアルバム収録のこれもまた美しい名曲で、もう迷わずこれに決めた

もしも気に入ったらぜひほかの曲も聴いてみてほしいなと思います。

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