シルヴァーヘッド「アンダーニース・ザ・ライト」(1972)

Silverhead

【70年代ロックの快楽】
SILVERHEAD – Underneath The Light

グラムロックの中でもそんなには売れなかったほうのバンドで、本国のイギリスでの知名度はないに等しいらしい。
日本では東芝EMIの強力プロモーションによって人気が出たということで、オールドファンはよく知っているバンドだ。

1972年と言えば、デヴィッド・ボウイの『ジギー・スターダスト』やロキシー・ミュージックのファーストのような、ちょっと次元の違うグラムロックの名作が誕生した年で、同じ土俵で闘える相手ではなかった。
とくにロキシーなんて、あれをグラムと分類されてしまうと、もうシンプルにカッコいいだけのグラムロックたちはお手上げだ。あんなレベルのものを期待されてはたまらない。
そんなふうにグラムロックは衰退していったのではないか。

ローリング・ストーンズの表面的な影響をもっとエンタテインメント色の濃くした「時代のあだ花」、ホンモノになりきれない愛すべきフェイク・ロックはこの秘宝館で取り上げるのにふさわしい。

もちろん褒め言葉のつもりだが、「フェイクロック」が言い過ぎなら二流のロックか。
一流ではないけど、三流というほどでもない。
そりゃまあ一流さえ聴いてれば充分、と言われればそれまでだけど、二流は二流として楽しめれば、そりゃもう一生退屈することはありません。