名盤100選 07 デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』 1972

ジギー・スターダスト

数あるコンセプト・アルバムの中でも最高峰といっていい傑作だと思う。
なのにわたしはこのアルバムに込められたコンセプトとやらはよく知らない。歌詞も読んだことがない。
なにやらSFチックな感じのようだが、もしかしてザ・フーの『トミー』のような寒い内容だと失望するので知らないでおくことにしている。

デヴィッド・ボウイは絶妙なバランス感覚を持った秀才タイプのアーティストだと思う。
勉強家であり、自分を客観的にプロデュースできるタイプだと思う。
アーティスティックな面での追求と商業面での成功を両立させ、そのうえヴィジュアルも良いときてる。
女子からは妖艶なロックスターとしてアイドル的人気も絶大であり、男子からはカリスマ的アーティストとして崇拝され、インテリでアンダーグラウンド・シーンからもリスペクトされる。
そのうえバイセクシャルである。とにかくなんでもアリということだ。

このアルバムには特別な魔力がある。
わかりやすく、食いつきのいいポップ・ミュージックでありながら、なにか火星にたった独りで取り残されたような絶望的な寂しさと哀愁が漂う。
はまりやすく、特別な愛着や思い入れを持ちやすい。アナログ・レコードならジャケットを部屋の壁に掛けたくなる。
このアルバムはドライブに持っていったり、iPodに入れて持ち歩くのは似合わない。
深夜に部屋で独りでヘッドホンをつけて聴くのが最も正しい聴きかたである。

ボウイの代表作としてはこの『ジギー・スターダスト』が最も有名だが、1974年の『ダイアモンドの犬』も甲乙つけがたい名盤である。
べつにどちらでも良かったのだが、近未来の暗黒世界を描きながらもドラマチックな『ダイアモンドの犬』より、孤独な『ジギー』を選ぶことにした。
このブログは基本的に孤独な読者に向けて書いているからである。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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