No.083 ザ・スミス/ハンド・イン・グローヴ (1983)

The Smiths
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その83
The Smiths – Hand In Glove

年中曇り空で薄暗くて、食べ物もきっと不味い、イギリスの工業地帯マンチェスターで親と同居する無職のニート生活ながら、ニューヨーク・ドールズのファンクラブの会長として会報を発行していたモリッシーは23歳、そのモリッシーの文章の読者だったジョニー・マーは19歳。
モリッシーが書いた詩にマーが曲をつけてみたところから、この唯一無二の個性的なロックバンド、ザ・スミスが誕生した。

この曲はザ・スミスのデビュー・シングルとして1983年に発売された。
焦燥感に駆られ、構成や完成度なんて無視して、衝動だけで歌われているような曲だ。

その独特のヴォーカル、独特のサウンド、独特のソングライティングは、あまりに個性が強すぎて好き嫌いが分かれるところだと思うけど、好きになってしまうととことん、熱狂的に好きだという支持者が多いバンドだ。

わたしは、好きになるのに少し時間がかかった。
わたしがそれまで聴いていたものとあまりに違うものだったので、どう聴いていいかわからなかったのだ。
でもいったん好きになったら、わたしにとってスミスは80年代ロックで最も強く心に残るバンドとなった。

昔聴いた音楽には、今でも聴けるものと聴けないものがあるけど、スミスの音楽は今でも違和感なく、ふつうに聴ける。
それは彼らの音楽がもともと流行とほとんど関係のないものであり、いつの時代に聴いても色褪せないオリジナリティを持っているからだろう。

それにしてもどえらくプリケツな、女性ファンにとっても男性ファンにとってもこんな買いにくいジャケもないだろう。
デビュー・シングルなのだから、もうちょっとふつうにしておけばもっと幅広い層にも売れたのかもしれないのに。
曲は良いのだから。

こういうところがスミスらしいには違いないのだけど、なんだか惜しいところでもあるのだ。