はじめてのニューヨーク・パンク【必聴10組10曲】10 NEW YORK PUNK Songs to Listen to First

The Definitive Story Of CBGB (The Home Of U.S. Punk) (2006, CD) - Discogs

60年代後半ぐらいから、アメリカのロックは西海岸を中心にヒッピー文化の盛り上がりと共に、サイケデリック・ロックやフォーク・ロック、サザン・ロック、スワンプ・ロック、カントリー・ロック、AORなどへと発展し、巨大音楽産業としても成長していった。

しかしそんな世の流れに逆らうかのように、ニューヨークの新しい世代は、CBGBという小さなライヴハウスを拠点に、刺激的で暴力的で快楽的で、魂と感情を解放するような独自のスタイルの音楽を、DIY精神で創造していった。それは、再びロックの原点に還ろうとするものでもあった。

彼らは〈パンク・ロック〉と呼ばれ、やがてその衝撃と影響はイギリスにも飛び火し、ロンドンを燃え上がらせ、ロック・シーンを揺るがす革命的な一大ムーヴメントへと盛り上がっていく。

パンクと言ってもそのスタイルは幅広く、詩的でアート志向であったり、ストレートの剛速球ロックンロールであったり、ヴェルヴェッツ直系のアングラ指向だったり、60年代ポップスへの回帰であったりと様々であった。

ここではそんな、70年代パンク・ムーヴメントの発火点とも言える、ニューヨーク・パンクの代表的なアーティストの代表曲、10組10曲を紹介したいと思います。

パティ・スミス/グロリア(1975)
Patti Smith – Gloria

まずは〈パンクの女王〉のデビュー・シングルから。
「キリストは誰かの罪のために死んだけど、私じゃない」という歌い出しで始まる、自作の詩とゼムの名曲「グロリア」のカバーを繋ぎ合わせた曲だ。
アグレッシヴでエキセントリックなヴォーカルはその後に続くパンク・ロッカーたちに大きな影響を与えた。

「パティ・スミス/グロリア」の過去記事はこちら

ラモーンズ/電撃パップ(1976)
Ramones – Blitzkrieg Bop

史上最高のパンク・ロックバンド、ラモーンズの衝撃のデビュー・シングル。
ジョーイ・ラモーンによれば、「ハイ、ホー、レッツ・ゴー!」の掛け声は「革命の始まりであり、自分たちのことは自分たちでやれとパンクスたちへ告げた、戦闘命令だ」ということらしい。

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ハートブレイカーズ/チャイニーズ・ロックス(1977)
Heartbreakers – Chinese Rocks

元ニューヨーク・ドールズのギタリストとドラマー、ジョニー・サンダースとジェリー・ノーランを中心に結成されたバンド、ハートブレイカーズの代表曲。
ソングライターのクレジットには、ジョニー・サンダース、ジェリー・ノーラン、ディー・ディー・ラモーン、リチャード・ヘル、とNYパンクの悪ガキ一味の名前がずらりと並ぶ、まさにNYパンクを象徴する曲だ。ちなみに「チャイニーズ・ロックス」とは、ヘロインの隠語である。

「ハートブレイカーズ/チャイニーズ・ロックス」の過去記事はこちら

リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ/ブランク・ジェネレーション(1977)
Richard Hell and the Voidoids – Blank Generation

今聴いても衝撃的なヴォーカル・スタイル。暴力的なギターもカッコいい。刺激的でアグレッシヴな音楽性、文学的でアート志向という、すべての要素が揃った、NYパンクのアンセムとでもいうべき名曲。

「リチャード・ヘル/ブランク・ジェネレーション」の過去記事はこちら

テレヴィジョン/マーキー・ムーン(1977)
Television – Maequee Moon

ロック史に残る名盤、テレヴィジョンの1st『マーキー・ムーン』収録のタイトル曲。
NYパンクの中でも最もアート志向で文学的指向が強いテレヴィジョンは、どこかひんやりとした狂気の匂いがする。10分以上ある長い曲だが、永遠に聴いていられると思うほど濃密でドラマチックだ。異次元のギター・プレイが堪能できる。

「テレヴィジョン/マーキー・ムーン」の過去記事はこちら

トーキング・ヘッズ/サイコ・キラー(1977)
Talking Heads – Psycho Killer

1stアルバム『サイコ・キラー’77 (Talking Heads ‘77)』に収録された、初期の代表曲。
ひと口に「NYパンク」と言っても、その音楽性は多様だ。NYパンクとは、それまでのロックとは違う新しいスタイルを創造したアーティストたちのことだとも言える。
このトーキング・ヘッズなんかは、パンクどころかその後の、ニュー・ウェイヴの先駆者とも言える。

「トーキング・ヘッズ/サイコ・キラー」の過去記事はこちら

ブロンディ/ハンギング・オン・ザ・テレフォン(1978)
Blondie – Hanging On The Telephone

ブロンディもCBGBに出演していたことからNYパンクの一派とされているが、その音楽性は60年代ポップスへの回帰というべきものだ。
サウンドはアグレッシヴであったり、ノスタルジックであったり、ニュー・ウェイヴ風であったりと変幻自在。時代にうまくハマって、ヒット曲を連発し、セールス的にも大成功を収めた。

「ブロンディ/ハンギング・オン・ザ・テレフォン」の過去記事はこちら

デッド・ボーイズ/ソニック・リデューサー(1977)
Dead Boys – Sonic Reducer

オハイオ州クリーヴランド市出身ながら、ニューヨークでCBGBを中心に活動していたバンド。カッコいいバンド名だ。
1stアルバム『Young, Loud and Snotty (若くて、うるさくて、薄汚い)』のタイトル通り、NYパンクの中でも随一の、くそパンク(誉め言葉)だ。

「デッド・ボーイズ/ソニック・リデューサー」の過去記事はこちら

スーサイド/ゴースト・ライダー(1977)
Suicide – Ghost Rider

アラン・ヴェガ(ヴォーカル)とマーティン・レヴ(エレクトロニクス)の二人組による、異様なチープさと、何を考えているのかわからない感じが怖いアヴァンギャルド作。
ニューヨークの地下室で、生きていても仕方のないダメな人たちを集めて繰り広げられる、これ以上はないというぐらい絶望的なダンス・パーティーのようでもある。
このジャケがカッコよくて、このデザインのTシャツが欲しいと30年前からずっと思ってる。今も。

コントーションズ/コントロール・ユアセルフ(1979)
The Contortions – Contort Yourself

サックス兼キーボード兼ヴォーカリスト兼ソングライターの、ジェームズ・チャンス率いるバンドの1stアルバム『BUY』収録曲。
フリー・ジャズをパンキッシュに仕上げたような、アグレッシヴな疾走感と乾いたサウンドが面白い。前衛的でアート志向と言ってもやけに暴力的な迫力はやはりパンク的である。

「コントーションズ/コントロール・ユアセルフ」の過去記事はこちら

以上、はじめてのニューヨーク・パンク【必聴10組10曲】でした。

入門用にNYパンクのアルバムを聴くなら、以下の4枚は必聴。NYパンクのみならず、ロック史上の名盤です。

また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。

apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。

はじめてのニューヨーク・パンク【必聴10組10曲】10 NEW YORK PUNK Songs to Listen to First (goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

(by goro)