ヒストリー・オブ・ロック 1970【60年代ロックの終幕と新時代の幕開け】Greatest 10 Songs

アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ

1970

1970年はまさに、60年代ロックが終わりを告げた年だった。

若者たちの新しい文化として怒涛の勢いで世界に広がったロックにも暗雲が立ち込めた。

4月にポール・マッカートニーがビートルズから脱退を表明すると、その後アップル社と他のメンバーを巻き込んでの裁判沙汰にもなり、その結果ビートルズは解散した。

そして9月にはジミ・ヘンドリックスが酒と睡眠薬を飲んで就寝中に嘔吐して窒息死すると、翌月に今度はジャニス・ジョプリンがヘロインの過剰摂取でこの世を去った。前年に死去したブライアン・ジョーンズも含めて、3人とも享年27歳だった。さらにこの翌年にはドアーズのジム・モリソンが、やはり27歳で逝く。
悪魔に魂を売って特別な音楽的才能を手に入れたという伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンに始まり、なぜか27歳で世を去るアーティストが多いため、「27club」などと揶揄されることにもなった。

燃え盛る炎に冷や水がぶっかけられたように、人々は楽しかったキャンプファイヤーももう終わってしまったのだと知った。

愛と自由と革命の熱に浮かされたような60年代の夢から醒め、現実に引き戻されたようなシラけた状況の中で、シンガー・ソングライターたちが注目を集めた。彼らの個人的で内省的な音楽が夢から醒めた人々の心に沁みたのかもしれない。

一方では60年代に築かれたロックの礎から、ハード・ロックやプログレッシヴ・ロックなど、百花繚乱の70年代ロックの芽も吹き出していた。

以下はそんな、時代の区切りとなった1970年を象徴する名曲10選です。

ザ・ビートルズ/レット・イット・ビー
The Beatles – Let It Be

60年代に”ロックンロール”を大復活させ、世界中に猛スピードで拡散して若者たちを熱狂させ、さらにロックに無限の可能性を示し、進化と多様化にも大きく貢献したバンド、ザ・ビートルズは、60年代ロックのMVPに選ばれるべきだろう。
たった8年の活動だったが、彼らの音楽は今も聴き継がれている。この曲は彼らのフィナーレを飾った、世界中の人々に愛された名曲だ。

ニール・ヤング/アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ
Neil Young – After the Gold Rush

お祭り騒ぎのような激動の時代が終わり、次はどこへ向かおうとしているのかわからない新しい時代の始まりという、期待と不安の入り混じったような、ひとつの時代の区切りを象徴するような曲だ。
70年代の幕開けにふさわしい、ニール・ヤングの曲の中でも最も美しい曲のひとつだ。

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C.C.R./雨を見たかい
Creedence Clearwater Revival – Have You Ever Seen the Rain?

全米8位のヒットとなった、日本では最も有名なC.C.R.の代表曲だ。
ヒット曲を連発し、アメリカを代表するロック・バンドとなっていたC.C.R.だったが、すでにバンド内の人間関係は修復不可能なところまで悪化していた。作者のジョン・フォガティによれば、ここで歌われているのは巷間で噂されるようなベトナム戦争やナパーム弾のことではなく、C.C.R.の崩壊を歌ったものだということだ。この翌年にC.C.R.は解散した。

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レオン・ラッセル/ア・ソング・フォー・ユー
Leon Russell – A Song For You

歌い方のクセは凄いし、サウンドも見た目もいかにもディープな雰囲気のあるレオン・ラッセルだが、よく聴くと意外に美メロのポップでわかりやすい曲を書くのだ。この曲はそんな彼のデビュー・シングルで、多くのアーティストがカバーした彼の代表曲だ。

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エルトン・ジョン/僕の歌は君の歌
Elton John – Your Song

そのレオン・ラッセルの音楽に触発されて書いたとされるこの曲は、エルトン・ジョンの最高傑作だとわたしは思っている。
情感溢れる美しいメロディとこの声の組み合わせがあまりにもハマりすぎて、いつ聴いても感動してしまう。

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ヴァン・モリソン/ムーンダンス
Van Morrison – Moondance

ヴァン・モリソンの3作目『ムーンダンス』はロック史上に燦然と輝く超名盤である。聴いたことのない方は一度聴いてみることをお薦めする。これほどの完成度とオリジナリティを持った、魂に響く音楽は滅多にあるものではない。この曲はジャズ調のカッコいいタイトル曲。

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カーティス・メイフィールド/ムーヴ・オン・アップ
Curtis Mayfield – Move On Up

1stアルバム『カーティス』からのシングルで、全英12位のヒットとなった。60年代ソウルから大幅に進化した感のあるこの画期的な音楽は、マーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーらの音楽と共に”ニュー・ソウル”と呼ばれ、一大ムーヴメントを巻き起こすことになる。このカッコいいイントロは今でもやたらとCMやバラエティ番組などで使用されるので聴き覚えのある方も多いだろう。

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フリー/オール・ライト・ナウ
Free – All Right Now

平均年齢20歳という若さでデビューしたイギリスのバンド。その年齢にしてははしゃいだ感じが一切なく、内省的な作風にムダな音を削ぎ落したような大胆なサウンド、狂暴さと抒情性が見え隠れする刺激的なギターが強烈だ。この曲は全米4位の大ヒットとなった彼らの代表曲で、3rdアルバム『ファイアー・アンド・ウォーター』の中でも異色なほどポップな作風だ。74年に解散し、メンバーのポール・ロジャースとサイモン・カークはバッド・カンパニーを結成する。

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ブラック・サバス/パラノイド
Black Sabbath – Paranoid

レッド・ツェッペリンと共にブリティッシュ・ハード・ロックの草分け的なバンドとなり、後のヘヴィ・メタルの原点とも評されるブラック・サバスの2ndアルバムのタイトル曲。全英4位のヒットとなった。アルバムは全英1位を獲得した。

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デレク&ザ・ドミノス/いとしのレイラ
Derek and the Dominos – Layla

ヤードバーズのギタリストとしてデビューしたエリック・クラプトンがその後、ブルース・ブレイカーズ~クリーム~ブラインド・フェイスとバンドを渡り歩いた後にアメリカで結成したのがこのレイドバック志向のバンド、デレク&ザ・ドミノスだった。
ロック史上最も有名なギター・リフによるクラプトンの代表曲としてよく知られた曲だが、このような感情剥き出しのヴォーカルは彼にはめずらしいタイプの曲だ。

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選んだ10曲がぶっ続けで聴けるYouTubeのプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

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また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
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ヒストリー・オブ・ロック 1970【60年代ロックの終幕と新時代の幕開け】Greatest 10 Songs (goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

(by goro)