No.295 ザ・ホワイト・ストライプス/セヴン・ネイション・アーミー (2003)

Elephant
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その295
The White Stripes – Seven Nation Army

ホワイト・ストライプスはヴォーカル&ギターのジャック・ホワイトと、ドラムのメグ・ホワイトの2人組のバンドである。
姉と弟という設定でデビューしたが、実際には元夫婦であり、デビューしたころには離婚していた。

デトロイト出身の彼らは1998年にデビューし、2003年にこの曲が収録された4作目のアルバム『エレファント』で大ブレイクする。
時を同じくしてブレイクしたザ・ストロークスと共にアメリカ新世代ロック、≪ロックンロール・リバイバル≫のシンボル的存在として人気を博した。

わたしが彼らの音楽を初めて聴いたのはTVでだった。グラミー賞だかMTVアワードだか、そんな番組だ。

わたしの哀しい性だが、先にこの無駄にエロいお姉ちゃん(設定上)のほうに目が行き、なんだかやる気のないダルそうな叩き方なのに妙なパワーを感じるこの不思議なドラムの印象が鮮烈だった。
まあ、単にヘタクソなだけ、というのが一般的な評価らしく、実際このお姉ちゃんはこのバンドを組むまで楽器など触ったこともなかったらしいが、わたしは技術的なレベルと音楽の面白さはまったく別問題だと思っているので、そんなことはどうでもいいのである。

しかし弟(設定上)のギターの腕前のほうはなかなかのものらしい。
彼は古いブルースやカントリーに傾倒しつつ、そのサウンドからは、70年代ハードロックやデトロイト伝統のガレージロックのガサガサした美しい響きが聴き取れる。

wikiによると彼は、≪地元デトロイトのミュージシャンたちが音楽的土壌を作ってくれたのを感謝しており、特にイギー・ポップのファンで、ストゥージズのアルバム『ファンハウス』を「今までに作られた最高のロック・アルバム」と言っている≫らしい。
彼はきっと、すごくいいやつにちがいない。

ホワイト・ストライプスは2011年に解散した。
ジャック・ホワイトはナッシュヴィルに拠点を移して、現在もソロで活動している。
彼はナッシュヴィルに自分のスタジオを持ち、2014年にはニール・ヤングを迎えてアルバムをプロデュースした。
カバーアルバムだが、ニールを1940年代のヴォイソングラフとかいう電話ボックスみたいな録音機の中に入れて歌わせ、まるで戦前のブルースみたいなものすごく聴きに難いサウンドに仕上げている。

メグはパティ・スミスの長男と結婚したらしい。
ということはパティ・スミスと義理の母娘になったのか。
なんだかスゴいな。