No.164 デイヴ・エドモンズ/デボラ (1978)

ザ・ベスト・オブ・デイヴ・エドモンズ(紙ジャケット仕様)
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その164
Dave Edmunds – Deborah

この時代のイギリスに”パブロック”なんて、ちょっとディスられてる感じで呼ばれたアーティストたちがいて、デイヴ・エドモンズもその一人だ。

70年代の半ば、ロックコンサートがどんどん巨大化する中で、パブみたいな小さな場所で細々とシンプルなロックンロールをやっていたアーティストたちのことをパブロックと呼んだのだった。
ほら、やっぱりディスってる。

でもわたしはこのパブロックの一派がとても好きだった。
ディヴ・エドモンズの盟友ニック・ロウ、ドクター・フィールグッド、エルヴィス・コステロ、イアン・デューリー、エディ&ザ・ホットロッズなんかが、そうだ。
パブ・ロックとは、パブで聴いたらめっちゃ楽しい音楽のことである。たぶん。

彼らはロックが巨大化・複雑化・商業主義化していく時代に、50~60年代のロックンロール黄金時代に原点回帰したのだ。
それはそのまま、パンクロックの誕生へと繋がっていく。

そういえば1990年頃、なにかのフェスの出演者として、デイヴ・エドモンズが東京ドームのステージで歌ったという記事を読んだ。
東京ドームがこんなに似合わない人もいないなあ、と思わず笑ってしまったが、同時にパブロック史上に輝く晴れ舞台としてわたしは心の中で喝采を贈ったのだった。

時代は変わる。
ロックもどんどん新しいものや、ヘンなものが出てきてほしい。
そうでなければロックは死ぬだろう。
でも古典的なロックンロールもブルースもカントリーも、やめちゃだめだ。
それはそれでずっと続けて、磨き続けてほしい。聖なる火が消えてしまわないように。
それが消えてしまっても、やっぱりロックは死ぬだろう。

この「デボラ」は、エドモンズとニック・ロウというパブ・ロックの二大巨頭が書いた曲だ。1977年のアルバム『ゲット・イット』に収録されている。

このアルバムからシングルカットされた「ガールズ・トーク」(コステロ作)のほうがヒットして有名なようだけど、わたしはこの「デボラ」のほうが好きなので、こっちを選んだ。
なんとなくキンクスの「ヴィクトリア」に似ているのも、気に入ってる理由なのかもしれない。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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