【きょうの余談】続〈さらば、娘よ〉

およそ1年半前、このブログで〈【きょうの余談】さらば、娘よ〉という、わたしの娘が高校を卒業して愛知県の実家を離れ、東京で専門学校に通うことになった経緯を書いた記事を投稿しました。今回はその続編です。ロックとはなんの関係もない、ただの余談ですので、興味のない方はごめんなさい、スルーしてください。

写真を勉強するために東京の専門学校に在学中の娘が、先週から帰省中(帰省の前日にPCR検査で陰性確認済み)。

上の写真は学年末制作の手製写真集。学年の人気投票で1位になったと言うので、見せてもらった。

普通の写真集と思いきや、なにやらいろいろと複雑な背景の設定があって、スクラップブックの余白に細かい字で物語が書き込まれ、表紙や写真に焦げ跡があったり、犬が噛んだ痕が付いていたりする。

「少年は仲の良いある少女を毎日のように写真に撮り、スクラップしていたが、少女が事故死したことで自暴自棄になり、スクラップブックを燃やそうとした。しかし途中で気が変わって火の中から救い出すと、写っていたはずの少女の姿だけが消えてしまい、写真には靴だけが残されている」という設定らしく、靴だけが写っている風景写真が延々と続く。

なんか、知らない間に、アートなんてやってやがる。

しかし、アートにしては説明が多すぎるし、そういうのはわたしはあんまり良いと思わないけれども、このなんというか、表現への熱量みたいなものははなんだか凄いなとは思った。

そんな娘も、就活をして、めでたく内定をもらった。
代官山にある撮影スタジオだ。

それにしてもここまで、迷走も挫折もいっさいせずに、現実的な方法でまっすぐ最短距離で自分の夢を着々と叶えていく娘。

父親とは真逆の人生を歩んでるなあ、と思う。
わたしの19歳の頃なんて、迷走しすぎて自分が今どこにいるのかさえわからないような状態だった。
わたしが、「人生やり直せるとしたら、こうしたいな」と思っていることを、彼女がすべてやって見せてくれてるように思える。きっと父親を、反面教師にしているに違いない。

そんな撮影スタジオで働く人々というのは、永久就職のつもりはさらさらなく、数年で技術を身に着けると、独立したり、プロの写真家の弟子に付いたりというふうにして、スタジオを「卒業」していくものらしい。

娘は、数年でスタジオを「卒業」したら、彼女がリスペクトしているパリ在住の女流写真家、Marta Bevacquaに弟子入りするつもり、などとぬかしている。

たしかにわたしも1年半前の〈さらば、娘よ〉の項で「どうせなら、壮大な夢と野望のほうを目指してほしいけど」と書いたが、娘はこのブログの存在を知らないのでそれを読んだわけでもなかろうが、それはたしかに壮大な野望に違いない。

さすがに実現の可能性は低い夢物語だとは思うけど、ヤツならほんとにやりかねないから怖いのだ。

うーん。。

遠いよなあ、パリは。。

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コメント

  1. g-大将 より:

    おー父親らしいコメント✨俺はゴローがその境地に到達したのが嬉しいね✨娘々も幸せだね✨まっ俺達バーチャル親戚の叔父さん叔母さんは温かく見守って行きます。

  2. g-大将 より:

    わかる☺️俺もフランス行きたかったもの、今より景気良かったし名だたるグランシェフが活躍するパリ👍最近亡くなったムシュ,ロブションがジャマンという店で3つ星取ったり、とにかく憧れました。けど、金無い話せ無い自信無い、結局愛知県から出て行けずg-大将 を27年やってる俺………………
    それも人生 ケ・セラ・セラ

    • ゴロー より:

      やっぱり誰にも後悔というか、ダメもとでも若い頃にやっときゃ良かったなあ、ってことがひとつやふたつはあるものですよね。
      わたしなんかはひとつやふたつじゃないですけどね。まあたぶん、百とか千とか。
      でもせめて娘には、後悔の少ない人生を送ってほしいなと思いますね。なんであれ、彼女がチャレンジしたいなら、全力で支えていきたいと思ってます。