The Soft Machine (1968)
傑作と名高い、ソフト・マシーンの1st『ソフト・マシーン』を聴いてみる。旧邦題は『アート・ロックの彗星』だ。
イギリスのケント州にカンタベリーという街があり、その街の名を冠して〈カンタベリー・ミュージック〉と称される一派がいる。わたしはこれがまた大の苦手だ。
「アート・ロック」というとわたしはそのカンタベリー一派を真っ先に思い出してしまうのだが、ソフト・マシーンはそのカンタベリー・ミュージックの礎を築いたと言われるバンドである。その音楽性は、サイケデリック・ロックから変容した、ジャズの要素が濃い難解系プログレッシヴ・ロックとでも言うものである。
サイケ、ジャズ、即興、プログレと、わたしの苦手な全ワードが勢揃いしたような音楽だ。
心静かに、無心で聴いてみたが。
やっぱり、一瞬もわからんかった。
耳をつんざくようなオルガンの音で耳が痒くなるし、面白くもない短いフレーズが延々と繰り返されて、頭がおかしくなりそうである。
こういうカオスが好きな気取った人たちがいることは知っているが、残念ながらわたしにはわからない。
たしかに、1966年の段階でこれはかなり独創的と言えるだろう。
しかしそれと好き嫌いは別だ。
食わず嫌い克服ならず。
食わず嫌いではなく、本当に嫌いだと言うことを確認できたと言うべきか。
この印象ではたぶんもう死ぬまで二度と聴く機会もなかろう。
だからとりあえず聴いておいてよかった。
(Goro)