No.080 U2/サンデー・ブラッディ・サンデー (1983)

WAR(闘)
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その80
U2 – Sunday Bloody Sunday

「郵便局のマーチングバンドにいた経験が活かせた」と得意げに語るラリーの、バタバタした印象的なドラムで始まるこの曲はU2の3枚目のシングルで、これが世界にU2の名を知らしめた、といっても過言ではないと思う。
このドラムが無かったら、この曲はもっと魅力の乏しいものになっていただろうし、このドラムがギターやベースやヴァイオリンやヴォーカルの熱狂を引き出しているように感じる。

「サンデー・ブラッディ・サンデー」は、1972年1月に北アイルランドで起きた、デモ行進をしていた丸腰の市民たちをイギリス軍が銃撃し、14人が死亡、13人が負傷した「血の日曜日」と呼ばれる実際の事件について歌われている。

信じられないニュースだけど、目を閉じたって消えやしない
多くの人の血が流れた日曜日
たくさんの人が死んだけど、誰が勝者なのか教えてくれ
血走った眼差しで涙を拭い去れ
僕らには関わりのないことかもしれない
でも僕たちが食べたり飲んだりしているあいだに、また明日も人々が死んでいく
本当の闘いは始まったばかりだ

(written by U2)

このメッセージ性の強さもU2というバンドのイメージを決定づけた感もあるが、これは「カッコいい!」とか「異議なし!」などと思う人もいるだろうし、「しゃらくさいわ!」とか「辛気臭い!」と思う人もいるだろうから、好き嫌いがわかれただろう。

クールなニューウェイヴとエレポップが全盛の時代に突然現れたU2に、
「あのドラムが妙にバタバタいってる、やけに熱いロックバンドはなんなんだ? アイルランドのバンド? アイルランドってどこだ?」
なんて言ってたのかもしれない、などと想像もする。

わたしは、「ロックバンドなのに、マジメな人たちだ!」と思って、好感をもった。

その後もずっとU2には好感を持ち続けていて、大好きなアルバムも何枚かあり、今でも欠かさず新曲を聴いている。

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