ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ/宿命の女(1967)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ(紙ジャケット仕様)

【夜のロック】#13
Velvet Underground & Nico- Femme Fatale

夜のロックというか地下のロックであるが、昼のロックではないことはたしかだろう。
ヴォーカルをとっているのはドイツ人女性のニコという、元々はヴェルヴェット・アンダーグラウンドとはなんの関係もない女性である。

アンディ・ウォーホルが彼らをレコード・デビューさせるのと引き換えに、このロクに歌えないニコをゴリ押しして歌わせたということだ。現代の言葉で言えばパワハラである。ニコのほうにはセクハラもあったかもしれない。きっとあっただろう。世の中、セクハラなくしてゴリ押しはあり得ないものだ。

リーダーのルー・リードはニコのゴリ押し参加が嫌で嫌でたまらなかったが、レコード・デビューのために我慢したそうだ。

動画を探していると、後年の再結成ライヴで、この曲のジョン・ケイルがヴォーカルを取っているバージョンがあったので見てみた。
さすがに歌も演奏もニコなんかよりしっかりして、よりロックっぽくなっているのだけど、やっぱりなんか違うのである。そんなちゃんとしたロックじゃなくていいのだ。

この曲の良さはやはりオリジナルのニコの、地下の暗室で繰り広げられる怪しげなパーティの演しもののような感じでないといけない。聴く側も、蝶々みたいな仮面をつけて全裸で聴くのがオツな聴き方というものである。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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