ザ・ビーチ・ボーイズ【名曲ベストテン】THE BEACH BOYS Greatest 10 songs

ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズNo.2(UHQCD/MQA)

ブライアン、デニス、カールのウィルソン三兄弟を中心にカリフォルニア州で結成されたビーチ・ボーイズは、1961年にデビューした。

当時のカリフォルニアの若者たちのライフ・スタイルや興味の中心、サーフィン、車、恋愛などをテーマに、三兄弟の長兄で天才的なソングライター、ブライアン・ウィルソンがそのほとんどの楽曲を書き、5人のコーラスワークを特長とする世にも美しい楽曲を量産した。

当時、イギリスから世界に飛び出したビートルズが旋風を巻き起こし、50年代に生まれた「ロックンロール」は、より実験的で多様なスタイルの「ロック」へと急速な進化を遂げていた。ブライアン・ウィルソンはビートルズに対抗心を燃やし、競い合うように斬新なアルバムを作り、ロックの発展に大きく貢献した。

しかしブライアンは、『ペット・サウンズ』という奇跡のような名盤を創り上げたものの、レコード売り上げの低迷や、更なる進化へのプレッシャー、他のメンバーと方向性の違いによる対立などから、ドラッグとアルコールに依存し、やがて精神を病んでいく。
ブライアンの不調は90年代まで続き、70年代以降は他のメンバーだけでコンサートツアーを中心とした活動を行った。

ブライアン・ウィルソンのソングライターとしての才能とビーチ・ボーイズの美しいコーラスは、1960年代におけるアメリカン・ロック誕生への、ボブ・ディランと並ぶ最大の功労者だとわたしは思っている。

以下は、わたしが愛するザ・ビーチ・ボーイズの至極の名曲ベストテンです。

第10位 アイ・ゲット・アラウンド(1964)
I Get Around

All Summer Long (Mono & Stereo Remastered)

『オール・サマー・ロング(All Summer Long)』からのシングルで、全米1位の大ヒット曲。

初期ビーチ・ボーイズの、「サーフィンU.S.A.」のようなロックンロール路線と、「サーファー・ガール」のようなコーラス路線を見事な形で融合させた、ビーチ・ボーイズならではの傑作。

「アイ・ゲット・アラウンド」の過去記事はこちら

第9位 ドゥー・ユー・ワナ・ダンス(1965)
Do You Want to Dance

ビーチ・ボーイズ・トゥデイ! +2

『ザ・ビーチ・ボーイズ・トゥディ(The Beach Boys Today!)』からのシングルで、全米12位。

わたしはラモーンズのバージョンでこの曲を知って好きになった。イントロなしでテンションMAXでスタートする最高の曲。

「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」の過去記事はこちら

第8位 カリフォルニア・ガールズ(1965)
California Girls

サマー・デイズ +3

10枚目のアルバム『サマー・デイズ』からのシングル。全米3位のヒットとなった。
ブライアン・ウィルソンの変態的なソングライティングが炸裂した快心作。

キラめくようなポップな美しさと、船酔いしそうな不安定な感覚の同居がたまらない。

「カリフォルニア・ガールズ」の過去記事はこちら

第7位 ダーリン(1967)
Darlin’

ワイルド・ハニー +1

『ワイルド・ハニー(Wild Honey)』からのシングルで、全米19位。
リード・ヴォーカルはウィルソン兄弟三男のカールがとっている。フックのある歌メロは一度聴いたら忘れられない。
山下達郎による素晴らしいカバーもある。

「ダーリン」の過去記事はこちら

第6位 カリフォルニア・フィーリン(2002)
California Feelin’

The Beach Boys Classics...Selected By Brian Wilson

2002年に日本独自企画として発売された、ブライアン・ウィルソンが自ら選曲したことで話題になったベスト・アルバム『カリフォルニア・フィーリン(Classics Selected by Brian Wilson)』のラスト・トラック。

元々は74年にビーチ・ボーイズが録音したものの、お蔵入りになっていた曲で、このトラックは当アルバム用にブライアン・ウィルソンが録音したもの。
どこかせつなく、胸が締めつけられるような、素晴らしい曲だ。

「カリフォルニア・フィーリン」の過去記事はこちら

第5位 サーフィンU.S.A.(1963)
Surfin’ USA

Surfin' USA

2ndアルバム『サーフィン・U.S.A.(Surfin’ USA)』のタイトル曲で、全米3位の大ヒットとなったビーチ・ボーイズの大出世シングル。

チャック・ベリーの「スウィート・リトル・シックスティーン」の改作だが、わたしは両方とも好きだ。

「サーフィンU.S.A.」の過去記事はこちら

第4位 素敵じゃないか(1966)
Wouldn’t It Be Nice

ペット・サウンズ

アメリカン・ロックの歴史的名盤『ペット・サウンズ』のオープニング・トラック。全米8位のヒットとなった。

これ以上はないぐらいキャッチーな歌メロ、ところどころに意外な展開も仕込んで、ユニークで美しいポップソングに仕上げている。天才ポップ職人、ブライアン・ウィルソンの真骨頂だ。

「素敵じゃないか」の過去記事はこちら

第3位 ドント・ウォーリー・ベイビー(1964)
Don’t Worry Baby

シャット・ダウン VOL.2 +1

『シャット・ダウンvol.2(Shut Down Volume 2)』からのシングルで、全米24位。

鳥肌が立つような素晴らしいメロディーと展開に、ブライアン・ウィルソンの才能の凄さをあらためて思う。初めて聴いたときはそのクセメロディに「ニルヴァーナかよ」と思ったほどだ。

「ドント・ウォーリー・ベイビー」の過去記事はこちら

第2位 神のみぞ知る(1966)
God Only Knows

ペット・サウンズ

『ペット・サウンズ』収録曲。いきなり、夏の終わりの潮の香りが漂ってくるような感動的なイントロから、異様なコード進行とベース・ライン、キモ美しい歌メロ、普通のポップスとは別次元の音楽体験ができる曲だ。

「神のみぞ知る」の過去記事はこちら

第1位 グッド・ヴァイブレーション(1966)
Good Vibrations

スマイリー・スマイル(紙ジャケット仕様)

革新的で、ユーモラスで、常軌を逸した音楽のようでありながら、ビーチ・ボーイズにとって唯一となる、全米・全英で1位を獲得した、最大のヒット曲。

作者のブライアン・ウィルソン自らが「ポケット・シンフォニー」と呼んだ、ハッとするような美しいメロディやポップでキャッチーな断片が繋ぎ合わされ、展開の読めないワクワクするようなポップソングに仕上がっている。

何度聴いても飽きない、60年代アメリカン・ロックの金字塔。

「グッド・ヴァイブレーション」の過去記事はこちら

入門用にビーチ・ボーイズのアルバムを最初に聴くなら、『サウンズ・オブ・サマー~ヴェリー・ベスト・オブ・ビーチ・ボーイズ(The Very Best Of The Beach Boys: Sounds Of Summer)』がお薦めだ。最初に聴くべき代表曲はすべて網羅されている。

以上、ザ・ビーチ・ボーイズ【名曲ベストテン】THE BEACH BOYS Greatest 10 Songsでした。

(by goro)