はじめてのマッドハニー【必聴名曲5選】5 MUDHONEY Songs to Listen to First

Superfuzz Bigmuff & Singles

米ワシントン州シアトル出身のマッドハニーは、地元のインディ・レーベル〈サブ・ポップ〉に所属していたグリーン・リヴァーという伝説的なバンドがふたつに分かれて出来たバンドだ。もうひとつのバンドは、パール・ジャムである。

レーベルの先輩にはサウンドガーデンがいて、翌年にはニルヴァーナもこのレーベルからデビューした。その2年後に訪れたグランジ・ブームの際はこの大田舎のインディ・レーベルがその源流であることが知られ、世界中から注目を浴びることになった。

マッドハニーはニルヴァーナの兄貴分的な存在で、両バンドはとても仲が良く、音楽的にも方向性を同じくし、互いに影響を受け合っていた。

グランジの先駆者としてマッドハニーは評価され、彼らもまたブームの波に乗ってはいたが、しかしニルヴァーナやパール・ジャムのようには売れなかった。全米チャートに入ったこともないし、ヒット曲と言える曲もない。

しかし(本人たちはどう思っているか知らないが)、彼らの音楽性や活動の仕方からして、一時の流行で身の丈以上の売れ方をしなくて正解だったような気がする。

ヒット曲はないかもしれないが名曲はあるし、パンクやハード・ロックをごた混ぜにした刺激的なサウンドのガレージ・ロックは重すぎないのも魅力で、他の重々しいグランジ勢にはないスピード感と親しみやすさを感じる。

グランジではニルヴァーナよりマッドハニーのほうが好き、という人もいるらしいが、それも頷けるように、彼らの親しみやすい魅力、そしてシンプルでエネルギッシュでワイルドなカッコ良さはロック界にいつだって必要な存在であり、地に足の付いた野生種のロック・バンドだった。

以下はわたしがお薦めする、最初に聴くべきマッドハニーの至極の名曲5選です。

タッチ・ミー・アイム・シック(1988)
Touch Me I’m Sick

サブ・ポップからリリースされたデビュー・シングル。
ニルヴァーナがデビューする1年前、グランジ・ブームが巻き起こる3年前に、すでに完成されたグランジ・スタイルでその先鞭を付けていたことがわかる楽曲だ。

「タッチ・ミー・アイム・シック」の過去記事はこちら

レット・イット・スライド(1991)
Let It Slide

2ndアルバム『良い子にファッジ(Every Good Boy Deserves Fudge)』からのシングル。この年からグランジ・ブームがスタートし、初めて世界的な注目を浴び、この曲が初めてイギリスのチャートで60位に入った(本国アメリカのチャートには入らず)。
これぞガレージ・ロックのお手本と言うべき、シンプルでありながらゾクゾクするほどカッコいい名曲だ。

グッド・イナフ(1991)
Good Enough

2nd『良い子にファッジ(Every Good Boy Deserves Fudge)』収録曲。
それまでの攻撃的でパンキッシュな作風から一転、肩の力が抜けたまるでフォーク・ソングのように耳に残る親しみやすいメロディが意表を突いた曲だ。サウンドは耳障りなほどラウドでも、メロディを重視するというスタイルが、グランジ・ブームのいちばんの特徴だったのだ。
アルバムの出来も良く、「完全にブレイクしたな」と当時のわたしは思っていたが、実はブレイクしていなかった。おかしいなあ。

ノー・エンド・イット・サイト(1992)
No End in Sight

サブ・ポップを離れ、ついにメジャー・デビューとなった、グランジ・ブーム真っただ中に発表された3rdアルバム『ピース・オブ・ケイク(Piece of Cake)』のオープニング・トラック。
めちゃくちゃ良い出来で、彼らの最高傑作と言っていいアルバムだった。この曲もめちゃカッコいい。

サック・ユー・ドライ(1992)
Suck You Dry

3rd『ピース・オブ・ケイク』からシングル・カットされ、嵐のようなグランジ・ブームの突風にも背中を押され、米オルタナティヴ・チャート23位、全英65位と、全キャリア中最初で最後のチャート・インとなった代表曲だ。
今はもう誰も知らないかもしれないが、この曲もまたストゥージズと比較しても全然負けていない、ガレージ・ロックの名曲だ。

選んだ5曲を続けて聴けるYouTubeのプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

♪プレイリスト⇒はじめてのマッドハニー【必聴名曲5選】はこちら

また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。

はじめてのマッドハニー【必聴名曲5選】5 MUDHONEY Songs to Listen to First (goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

入門用にマッドハニーのアルバムを最初に聴くなら、適当なベスト盤がないこともあり、3rdの『ピース・オブ・ケイク(Piece of Cake)』をお薦めしておく。これぞグランジであり、ガレージ・ロックの名盤でもある。

(by goro)

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