ジョニー・サンダース/ユー・キャント・プット・ユア・アームズ・アラウンド・ア・メモリー(1978)

So Alone

【パンク・ロックの快楽】
Johnny Thunders – You Can’t Put Your Arms Around a Memory

ジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズによる、パンク・ロックを代表する超名盤『L.A.M.F』の次に発表したアルバムが、ジョニー・サンダースとしてのソロ名義の作品『ソー・アローン』だ。

『L.A.M.F.』がエネルギッシュでパワフルなロックンロール・アルバムだったのに対し、このアルバムはそのタイトルとジャケットが示すように、ジョニー・サンダースという人の哀しいほどの孤独が滲み出ているアルバムだ。

この「ユー・キャント・プット・ユア・アームズ・アラウンド・ア・メモリー」は、「こうしたかったわけじゃなくて、わからなかったんだ」「とても寂しい、孤独だ」と歌う。
今の自分の状況から、自分の判断が誤りだったかもしれない、と後悔しながら「思い出を抱いたままでいることはできない、あきらめなきゃ」と歌う。

孤独なパンク・ロッカーが、その弱さもカッコ悪さも曝け出して歌う。情けないけれども、共感もしてしまう。

彼の書くロックンロールは本当に素晴らしく、ギタープレイもオリジナルなスタイルを持った数少ないギタリストで、敬愛するキース・リチャーズと同じように音楽的才能に溢れていた。
彼はメジャー・レーベルと契約したかったが、しかしメジャー・レーベルは彼を敬遠したという。
才能あるアーティストではあったが、彼はプライベートを隠さず、ジャンキーであることが広く知られていたためだ。

あまりにピュアで、心の赴くままに生きて来た彼が、あまりに孤独であることに戸惑い、不安に怯えているように聴こえる、せつない曲だ。
わたしは共感しすぎて、この曲を聴くとなんだか胸の中の変なざわめきが止まらなくなってしまう。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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